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丹沢ブナ林再生へ本腰 県が次期計画素案

話題 神奈川新聞  2016年11月07日 02:00

丹沢中央部標高約1600メートルで見られるシカが通った道の跡(県自然環境保全センター提供)
丹沢中央部標高約1600メートルで見られるシカが通った道の跡(県自然環境保全センター提供)

 県は3期目(2017~21年度)となる次期丹沢大山自然再生計画の素案を作成した。2期の目標だった「目に見える事業成果」から一歩進めて「成果の得られた取り組みの着実な推進」を掲げ、丹沢のシンボルとされるブナ自然林の再生を本格化させる。県民の意見募集を18日まで行い、来年3月に策定する。

 3期計画素案では基本方針として(1)2期計画(12~16年度)までに成果の得られた取り組みの着実な推進(2)事業の重点化と事業の段階的な検討・実施(3)水源環境保全・再生施策との連携(4)県民との連携・協働の取り組み強化-を掲げた。

 2期事業の大きな成果になったのがブナ林の衰退機構の解明だ。標高800メートル以上の奥山域で1980年代から立ち枯れ現象が顕著となり、県が調査研究に着手。オゾンなどの大気汚染、水分ストレス、ブナハバチ食害の複合要因との結論をようやく導き出した。

 3期計画では、得られた衰退リスクマップを活用して植生保護柵、土壌保全工、食害が続くシカの管理捕獲、ブナハバチの防除などを効果的に組み合わせてブナ林の再生を目指す。

 前期同様、具体的施策は「重点事業」「実施可能性検討(FS)」「一般構成事業」に分類。大半が継続となるが、FSだった「自然公園の利用のあり方と管理方針」は、3期では「管理方針」の部分が削除された。

 計画策定のベースになる基本構想(2006年6月策定)では、登山者が集中するオーバーユース(過剰利用)対策として「公園のゾーン別での適正利用の方針策定が急務」とされていた。効果的な対策を検討する上で、年間約30万人(推計)とされる入山者についても、実態に合った数字の更新を求める声が関係者の間で少なくない。

 県自然環境保全センターは「丹沢でも近年、増えているトレイルランニング大会に対しては、主催者向けの指針を今年4月に作成。キャンプ場経営者への指導も強化している。3期でマナー向上の啓発活動を重点事業化するので、管理方針の検討は外す」と説明している。

 同センターは寄せられた意見を反映して来年1月に計画案を作成、同3月に策定作業を終える予定。


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