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【減災新聞】〈知る・深める〉「国難」乗り越えるため 名大・福和氏「危機感」呼び掛け

減災 神奈川新聞  2018年11月11日 11:04

南海トラフ地震に向けた対策の課題を語る福和氏=10月31日、横浜市南区
南海トラフ地震に向けた対策の課題を語る福和氏=10月31日、横浜市南区

 「次の震災について本当のことを話してみよう。」と題した講演会(横浜市防火防災協会主催)が10月、横浜市南区であった。登壇したのは、日本地震工学会の会長を務める福和伸夫・名古屋大減災連携研究センター長。本音とユーモアを交えた独特の語り口で、「国難」と形容される南海トラフ巨大地震への備えを促した。

 「これらは生き方を変えれば、何とか乗り越えられるかもしれない災害です」

 福和氏がそう言ってスライドで投影したのは、1707年の富士山噴火や1923年の関東大震災、59年の伊勢湾台風、95年の阪神大震災といった過去の大災害。「実際に今までは乗り越え、よりよい時代をつくることができた」とし、問い掛けた。「でも、次の南海トラフ地震はまずそうだ。日本が最貧国になるかどうかは、今生きている僕たち次第だ」

 不安や課題の根拠として福和氏は、人口や産業が集積する大都市の脆弱(ぜいじゃく)さを強調。最大震度6弱ながら複数の犠牲者が出て、5万8千棟を超える住宅に被害が生じた6月の大阪府北部地震を例に「今までは震度6弱でこのようなことはなかった。僕たちは危機感を持たないといけない」

 大阪で被害が拡大した背景について「地盤の悪い所に密集したまちを造ってしまったからだ」との見方を示し、関東大震災で壊滅した市街地に今も官公庁が集まる横浜も同様の問題があると指摘した。

 静岡以西の沖合に延びる南海トラフで最大級の地震が起きると、最悪の場合、32万3千人が死亡すると国は想定。この地震による長期的な経済被害額を1410兆円と試算した土木学会は「日本が最貧国になりかねない」と警鐘を鳴らしている。


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