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「個人請求権消滅せず」 賠償求め弁護士声明 徴用工判決問題

社会 神奈川新聞  2018年11月05日 22:29

声明の趣旨を説明する川上弁護士(右)と山本弁護士=参院議員会館
声明の趣旨を説明する川上弁護士(右)と山本弁護士=参院議員会館

 韓国の最高裁判所が韓国人元徴用工への損害賠償を新日鉄住金に命じた判決を受け、全国の弁護士有志は5日、賠償の支払いと根本的な解決を同社と日本政府に求める声明を発表した。学識者を含め約100人から賛同が寄せられているという。

 判決について、安倍晋三首相は「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決している。国際法に照らしてあり得ない判断」と反発したが、声明は「首相はミスリードしている」と批判。1991年に外務省条約局長が日韓請求権協定について「個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない」と国会で答弁していることなどを踏まえ、「日本政府は従来から協定で放棄されたのは外交保護権であり、個人の賠償請求権は消滅していないとの見解を表明している」と指摘した。

 声明では、問題の本質は人権侵害で、判決は被害者救済を重視する国際人権法の潮流に沿うと強調。同社は謝罪と賠償を行い、中国人強制連行のケース同様、基金方式で徴用工被害者全体の救済に踏み出すべきとしている。日本政府には「自らの責任も自覚し真の解決に向けた取り組みを支援するべき」とした。

 都内で会見した川上詩朗弁護士は「国際的企業として判決に従うのが常識。政府は抑圧的な態度を取るべきではなく、判決を機に全体の解決に向かうべきだ」と趣旨を説明。判決を巡っては河野太郎外相も駐日韓国大使に抗議した上で、韓国政府に「日本の国民と企業に不利益をもたらさない厳格な措置」を求めたが、同席した山本晴太弁護士は「三権分立の基本を理解していない。他国の民主制度に対する干渉でもある」とした。


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