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改憲論議、地元議員も発言活発 参院選にらんだ戦略も 神奈川

政治行政 神奈川新聞  2018年11月04日 02:00

 安倍晋三首相が悲願とする憲法改正を巡り、県内の国会議員らも発言を活発化させている。首相は今臨時国会中の憲法審査会への自民党案提示に意欲を示すが、与野党ともに一枚岩ではない。来夏の参院選を見据えた戦略も絡み、論議の行方は不透明だ。3日で公布から72年。ほぼすべての政党がひしめき、「政界の縮図」とされる神奈川の議員の主張から、改憲の是非が浮かび上がる。

 「それぞれの政党が自らの考え方を持ち寄って議論し、結果として国民世論が高まればいい」。菅義偉官房長官(衆院2区)は10月、都内での講演でこう強調。改憲は自民党立党以来の党是だとし、「(改憲勢力が)衆参で3分の2ある。自民党としての考え方を取りまとめて憲法審で議論してほしい」と述べた。

 自民が改憲に前のめりになるのは、国会発議に必要な3分の2以上の「改憲勢力」を参院選後も維持できるか見通せないからだ。県内議員10人が所属する麻生派は9月の党総裁選前、首相に対し参院選までに憲法改正の国民投票を実施するよう提言。無派閥議員の一人も「国民の手による時代に則した憲法改正を目指す」などと改正案の国会提出に意欲を示している。

 ただ、連立与党を組む公明党は慎重姿勢を崩していない。県本部代表の上田勇元衆院議員は県庁での会見で「憲法審で(自民の)案が出てきたときは、全ての政党・会派で真摯(しんし)に議論していくのが趣旨ではないか」と指摘。参院選で風当たりが強まることを懸念し、「どういう議論の展開になるのか分からないので、何とも言いようがない」と言葉を濁した。

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 一方、野党でも改憲勢力に含まれる希望の党と日本維新の会は、改憲論議の高まりに期待を寄せる。希望の松沢成文代表(参院神奈川選挙区)は自民改憲案について、「全く9条をいじらず逃げ続けているよりは、一歩前進だ」と評価。党でまとめた独自の改憲案を憲法審に提示したい考えで、参院選に向け存在感を発揮したい思惑も透ける。教育無償化を柱とする改憲案をまとめている維新の串田誠一県総支部代表(衆院比例南関東)も「憲法審で活発に議論できたらいい」と話す。

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 「総理は内閣と国会の関係もわきまえていない」。改憲発議の阻止を狙う共産党の畑野君枝氏(同)は「憲法擁護義務のある行政府の長が改憲発議を目指すのは国会への介入で、三権分立に反した憲法違反だ」と猛反発。社民党の福島瑞穂副党首(参院全国比例)も10月に都内で開いたパーティーで、「何としても9条改悪を許さないという運動を、力強く進めていく」と語気を強める。

 他の野党も安倍政権の下での改憲に異を唱え、10月の参院本会議の代表質問で首相の姿勢をただした。

 権力を制約し、国民の権利拡大につながる改憲は是とする立憲民主党の牧山弘恵氏(神奈川選挙区)は「現行憲法の価値観を尊重しない安倍首相に憲法を語る資格はない」と批判。時代の変化に対応した憲法の積極議論を唱える立場の国民民主党は、石上俊雄氏(全国比例)が「政権のレガシー(遺産)づくりのための憲法改正は有益ではない」と疑問を投げ掛けた。


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