1. ホーム
  2. 時代の正体
  3. 〈時代の正体〉ネットの差別書き込み放置 川崎市後手に「対応遅すぎる」

〈時代の正体〉ネットの差別書き込み放置 川崎市後手に「対応遅すぎる」

時代の正体 神奈川新聞  2018年10月24日 08:00

日本第一党のヘイト街宣にプラカードを掲げて抗議する市民ら=10月7日、川崎駅東口
日本第一党のヘイト街宣にプラカードを掲げて抗議する市民ら=10月7日、川崎駅東口

【時代の正体取材班=石橋 学】ヘイトスピーチによる外国人市民への人権侵害が続く川崎市で、対策として取り組むインターネットのモニタリングが機能していない。差別書き込みを検索し、プロバイダーに削除を要請するものだが、肝心の判断基準が未策定のままだからだ。被害が継続、拡大する状況にも市人権・男女共同参画室に対応を急ぐ構えは見られず、事態の深刻さを認識しているとは言い難い。「基準がいまだないのは驚き。対応が遅すぎる」との批判の声が上がっている。

 ネット上の人権侵害は差別扇動団体「日本第一党」が活動を活発化するとともに顕著になっている。

 6月、8月、今月と続けて川崎駅前で行われた街宣では、外国人の排斥を唱える旗や横断幕が掲げられ、「朝鮮人、殺すぞ」と脅迫するヘイトスピーチが発せられた。弁士の発言が動画投稿サイト「ユーチューブ」に複数投稿されて拡散。視聴者が書き込んだ「国へ帰れ」「害国人を射殺してほしい」といった700超の賛同コメントが差別をあおった結果を示す。ヘイト書き込みはツイッターや個人のブログにも広がり、人権侵害の連鎖が続く。

優先事項も後手


 ネット対策は有識者でつくる市人権施策推進協議会が2016年12月にまとめた報告書で提言。福田紀彦市長が優先審議事項として諮問し、ヘイト対策の一つに削除要請が盛り込まれた。

 担当職員が「在日」「川崎市」などをキーワードに1日1時間の検索作業を4月から開始。該当した差別的言動はツイッター社などネット事業者に削除を要請する仕組みで、要請に当たり意見聴取する第三者機関も大学教授と弁護士らをメンバーに発足している。市人権・男女共同参画室は「ヘイトスピーチに当たると思われる書き込みは複数把握している」という。


日本第一党の街宣動画のコメント欄に連なるヘイト書き込み(一部画像を修整しています)
日本第一党の街宣動画のコメント欄に連なるヘイト書き込み(一部画像を修整しています)

 ところが、検索結果や判断のばらつきを防ぐ基準作りが未完で、削除要請はこれまで1件も行っていない。結果、第一党幹部らが在日コリアン集住地区を徘徊しながら「コリア系が不法占拠で住み続けている」と誹謗(ひぼう)中傷する動画も3カ月以上放置されたまま。6万回以上視聴され、

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする