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【高校野球秋季関東大会】横浜、鮮やかな逆転で8強 

高校野球 神奈川新聞  2018年10月23日 02:00

【甲府工-横浜】6回表横浜1死二、三塁。山口の三ゴロが野選となり三走津田が勝ち越しの生還。捕手望月=山日YBS球場
【甲府工-横浜】6回表横浜1死二、三塁。山口の三ゴロが野選となり三走津田が勝ち越しの生還。捕手望月=山日YBS球場

 高校野球の第71回秋季関東大会第3日は22日、山梨県の山日YBS球場で1回戦2試合と準々決勝1試合を行い、横浜(神奈川1位)は1回戦で甲府工(山梨3位)を8-2で下し、ベスト8に駒を進めた。

 横浜はエース及川雅貴(2年)が8回を散発2安打2失点。打っては同点の六回に3本の適時二塁打などで5得点した。

 第4日は23日、同球場で準々決勝3試合を行い、神奈川勢は桐蔭学園(神奈川2位)が佐野日大(栃木1位)と、横浜が春日部共栄(埼玉1位)と対戦する。4強入りすれば、来春の選抜大会(甲子園)出場が濃厚となる。

▽1回戦(山日YBS球場)
横 浜
000 025 100|8
002 000 000|2
甲府工

 【評】序盤は甲府工の技巧派右腕に苦しんだ横浜打線だったが、3巡目から緩い変化球を見極めて快打した。五回に2点差を追い付くと、六回には小泉、度会、内海がそれぞれ適時二塁打を放って5点を勝ち越した。エース及川は直球の半数近くが145キロ以上と腕が振れ、8回2失点で9奪三振。ただ7四死球を与え、制球に課題を残した。

“自主性野球”で攻略

 名門が、甲府工の軟投派エースに苦戦を強いられていた。膝下へ落ちる変化球に苦しみ、四回までわずか2安打。2点リードを許していた。

 今夏も軟投派に思わぬ苦戦をした試合があったが、同じ轍(てつ)は踏まない。3巡目に向かう横浜打線が、反撃に出る。

 「少々低い球でも、積極的に打っていこう」。主将内海の呼び掛けが号砲となった。球審が低めに決まる変化球をストライクと取る傾向を感じ取ったナインは、ストライクゾーンをいつもより広めに設定した。

 五回に連打と暴投が絡んで同点。六回は小泉、度会、内海と犠打を挟んで3連続で適時二塁打が飛び出し、一挙5得点。平田徹監督(35)が掲げる自主性野球の系譜が息づくチームは、各打者が凡退に終わった打席を無駄にしなかった。

 ただ、スロースタートに「これが関東大会のプレッシャーだし、新チームのもろさ」と指揮官は不満げだ。この日の10残塁に、金足農(秋田)の吉田輝星に11残塁を喫した夏の記憶が頭をよぎる。

 それでも、チームの進化は示した。しぶとい三ゴロで野選を誘うなど2度の内野ゴロを含む3打点の9番山口が「汚い当たりでも走者をかえすのが自分らしさ」と言えば、内海も「打てる選手ばかりじゃない。一人一人が個人の役割を理解し、もがきながら点を取っていく」と宣言する。

 5年ぶりのセンバツが確実になるまであと1勝。多彩な攻め手で扉を開く。

流れ引き戻す6連続K エース及川、8回2失点


8回を投げて2安打9三振2失点と好投。笑顔を見せる横浜の及川
8回を投げて2安打9三振2失点と好投。笑顔を見せる横浜の及川

 自ら失った流れを、冷静に力強く引き戻した。横浜が誇る最速152キロ左腕及川が力を誇示したのは、2点を先制された直後だった。

 序盤から速球が常時145キロを超える一方で、決め球の横スライダーがばらつく。三回、先頭に四球を与え、1死二、三塁から初球の直球を左越えに2点三塁打とされた。「スライダーが入らないから、真っすぐを狙い打たれた」

 だがここからだ。次打者のスクイズをそのスライダーでファウルにさせて一息つくと、その打者から6者連続三振。スライダーのリリースを微調整して本来の投球を取り戻し、以降は無安打で三塁を踏ませなかった。

 打席でも1安打と2犠打で得点に絡んで役割を果たし、守備の流れを攻撃につなげるという勝利への常道を体現したエースについて、相棒の捕手山口はこう言う。「自分の代になり、及川はさらに率先して練習している。その姿が周囲に伝わるからこそ、あいつがリズムをつくると野手も乗っていく」。世代を代表する逸材として名門に入学した背番号1。重く大きい期待に負けず、真のエースに成長しつつある。

 あと1勝で選抜出場が確実になる。「連投になるけど、ここまできたら疲れなんて言っていられない」。過去2度の夏は、2桁の背番号で甲子園のマウンドを経験させてもらった。今度は、自分が連れて行く番だ。

一球への執着心高め 1年生・度会が3安打

 しなやかなバットさばきで右へ左へ打ち分けた。横浜のスーパー1年生度会が、関東大会デビュー戦で2本の二塁打を含む3安打1打点。元ヤクルトの父・博文氏譲りの好打者は、全てファーストストライクを捉える積極性を見せた。


5打数3安打と気を吐いた横浜の度会
5打数3安打と気を吐いた横浜の度会

 今夏の南神奈川大会では代打の切り札として、5打席連続安打で注目を浴びた。3番打者に定着した今も「毎打席、代打で出た時と同じ緊張感を持っている」と、初心を忘れることなく一球への執着心を高めている。

 この秋はチームトップの11打点。それでも、死闘の末に関東切符をもぎ取った県大会準決勝の慶応戦では3打席無安打に終わり、「小泉さんのサヨナラホームランに助けてもらった。自分も1年生とか関係なく、引っ張りたい」と強い気持ちを持ってプレーしている。

 開幕直前に風邪をひき、3日間ほど練習できなかったという。病み上がりとは思えない暴れっぷりだが、背番号4は「3安打はうれしいが、初めの2打席で打てなかったことが悔しい」。まだまだ打ち足りない。

1年生右腕、完全救援

 横浜期待の1年生右腕木下が最終回に登板して3人で締め、これで県大会から通じて4戦無失点だ。重い直球と決め球のツーシームをゾーンに投げ込み、あっさり片付けた。「体全体を大きく使って投げられるようになって、球威も制球も安定してきた」と手応え十分だ。

 エース及川に追い付こうと、同学年の左腕松本らとしのぎを削る、最速144キロの力で押せる右腕は「もっと中心になれる投手、安心して任せてもらえる投手になりたい」と貪欲だった。


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