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小田原城下の「総構」を巡ろう 散策マップ無料配布

話題 神奈川新聞  2018年10月17日 14:29

見学会のコースとなっている小峯御鐘ノ台大堀切東堀(大外郭の会提供)
見学会のコースとなっている小峯御鐘ノ台大堀切東堀(大外郭の会提供)

 小田原城だけでなく、城下全体に張り巡らされた防御線「総構(そうがまえ)」に関するミニ知識を盛り込んだ散策マップが完成し、小田原市内で無料配布されている。箱根外輪山から延びる丘陵地や河岸段丘など地形を生かした小田原ならではの防御の特徴が理解しやすい。マップを手掛けた市民団体は11月に見学会も予定しており、多くの人に小田原城の魅力を広めたいとしている。

 製作したのは、同市久野に事務局を置く「大外郭の会」(会員5人)。執筆・編集に携わった代表の山本篤志さん(49)は「小田原城郭研究会」や「小田原の城と緑を考える会」などにも所属している。

 2013年に関わったまち歩き本に掲載したコース案内図が好評だったことから、「何かの形で発行したい」と構想を温めていたという。費用は大外郭の会発足後から開催している見学会の参加費から捻出。観光マップを使うため市観光課の協力を得て、郷土の偉人である二宮尊徳の教えから無料にした。

 総構は1590年、豊臣秀吉による小田原攻めの際、北条氏が町全体を守るために築いた全長9キロにも及ぶ防衛ライン。歩くと5~6時間かかるが水路の跡などもあり、現在は耕作放棄地やミカン畑になっている。山本さんらは地主と交渉し、手弁当で草刈りをしコース整備を続ける。


散策マップを手にする山本さん=小田原市内
散策マップを手にする山本さん=小田原市内

 散策マップは広げるとA3判のサイズで、観光マップと重ね総構の位置を分かりやすく工夫した。また城門跡として、道路がクランク状に折れ曲がる構造が現在の国道255号に残される「井細田口」など、17項目で写真とミニ解説が添えられている。

 現在は残っていないが、敵兵の行動を狭め、貯水機能もある「障子堀」を北条氏が多用した解説も。

 総構の見学会参加者は2017年2月に40人だったのが、歴史物を扱うテレビ番組の効果もあり今年4月は130人と増えている。

 小田原城の総構に手を焼いた秀吉や武将たちは、その後自身の居城に総構を築くなど、城や城下町の在り方まで影響を与えた。そのため総構があるのは県庁所在地がほとんどだという。山本さんは「小田原城は、現在の都市構造まで変革をもたらした。障子堀を復元するなど、城を活用したまちづくりや観光に生かせないものか」と熱く語る。

 見学会は11月10日。午前9時までに小田原駅西口の北条早雲公像前に集合。午後5時ごろ解散。定員80人で参加費千円。11月7日までに事前申し込みが必要。問い合わせは同会事務局の楠田さん電話090(2312)9677。


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