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【減災新聞】〈知る・深める〉「複合災害」に備えよう 神奈川大教授が講演

減災 神奈川新聞  2018年10月16日 02:00

熊本地震などの調査成果を基に課題を指摘する神奈川大の佐藤孝治教授 =横浜市民防災センター
熊本地震などの調査成果を基に課題を指摘する神奈川大の佐藤孝治教授 =横浜市民防災センター

 神奈川大で防災・減災に取り組む2人の専門家による講演が11日、横浜市神奈川区の市民防災センターであった。巨大地震にスーパー台風、富士山や箱根山の噴火…。過酷な自然現象が重なる「複合災害」を念頭に置きつつ、過去の教訓を学び、未来の備えに生かす大切さを訴えた。

 地震工学を専門とする荏本孝久教授は、大阪や北海道で地震が相次ぐ一方で、豪雨や台風による深刻な被害が繰り返し、記録的な猛暑も重なった今年を「災害多発の年」と形容。こうした自然現象が別々ではなく、同時か連続して起きる「最悪シナリオ」も想定するよう説いた。

 多様な災害を考慮する必要性があるのは、実際にそうした時代が過去にあったからだ。

 荏本教授が取り上げたのは、東日本大震災に匹敵したとされる869年の貞観地震、相模トラフの巨大地震だったとの見方もある878年の元慶地震、南海トラフ巨大地震の一つである887年の仁和地震があった9世紀。「この頃には富士山の噴火も起きている。これから先、同じようなことが起きる可能性もある」とし、「相互連携型の地域防災で対応していくしかない」との見解を示した。

 また、経済的視点から災害や復興に迫っている佐藤孝治教授は、地震活動が連鎖的に拡大し、避難所対応や要援護者の支援などが後手に回った2016年の熊本地震、交通網の混乱やエレベーターの停止といった大都市特有の課題が浮かんだ大阪府北部地震の教訓を指摘。災害の記憶をどう伝え、「不都合な真実」をいかに直視していくかを防災の課題に挙げた。

 講演は横浜駅西口共同防火防災管理協議会が主催。事業所の防災担当者ら約40人が参加した。


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