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精神障害者フットサルチーム「FC PORT」を率いた2000日
僕の監督奮闘記(3)誇りと自信の初ゴール

社会 神奈川新聞  2018年10月13日 10:52

全国大会で公式戦初ゴールを決めた試合に勝利し、喜ぶJ子さん(中央左)。一緒にガッツポーズをしているのは監督である記者=2017年10月、愛媛県西条市(障害者スポーツライター&カメラマン・松本力さん提供)
全国大会で公式戦初ゴールを決めた試合に勝利し、喜ぶJ子さん(中央左)。一緒にガッツポーズをしているのは監督である記者=2017年10月、愛媛県西条市(障害者スポーツライター&カメラマン・松本力さん提供)

 昨年10月のソーシャルフットボール(精神障害者フットサル)の全国大会に初出場した、わが「FC PORT(ぽると)」ですが、その出場権を得ることだけでなく、資金繰りを含めて運営は大変でした。「ぽると」は、障害者支援施設や病院などのような母体を持たず、日々の活動も「当事者運営」を原則とするチームのためです。記者の監督奮闘記、第3弾です。(佐藤 将人)

 全国大会で彼女に公式戦初ゴールが記録された試合は、監督である僕にとって最もうれしい瞬間でもありました。

 J子さんは、10年前の創設時からチームを支える選手です。今は40代。スポーツがあまり得意ではなかった彼女は、速く走ったり、強いシュートを打ったりすることはできません。

 フットサルは本来1チーム5人ですが、精神障害者フットサルは女性が1人、「6人目のプレーヤー」として出場が可能です。その6人目として出場したJさんに歓喜が訪れたのは、全国大会予選リーグの四国代表・高知戦でした。

 チームが最高に盛り上がったことを今も思い出します。誰よりも「ぽると」を愛し、誰よりも活動に時間を割いているのが、マネジャーも兼務しているJ子さんだからです。

 当事者運営が原則のわがチームは、練習場の確保から移動、運営費の管理など全て選手がやります。監督である僕らスタッフは、あくまでも競技の指導と後方支援。個性的な選手をまとめていくのはJ子さんの役割ですが、自身も境界性人格障害を患い、かつてはリストカットが日常だった彼女にとって、容易ではありません。

 時にストレスで調子を崩しながらも、彼女は粘り強く、そして慎重にチームを前に進めました。「全国に行きたい」「全国で勝ちたい」。誰より結果にこだわったのも、彼女でした。

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