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台風の爪痕深く 三浦半島各地で塩害、野菜や花枯れる

社会 神奈川新聞  2018年10月13日 10:38

塩害で約100万本がほぼ全滅したコスモス=くりはま花の国
塩害で約100万本がほぼ全滅したコスモス=くりはま花の国

 「記録的な暴風」で、県内各地に大きな爪痕を残した台風24号。三浦半島では「塩害」の被害が甚大だ。風に巻き上げられた海水の塩分が農作物や草花に付着し、葉や芽、花を枯らした。丹念に育ててきた農家や公園の担当者らは予期せぬ事態に頭を抱え、肩を落としている。

 県の集計では、台風24号による県内の農林水産業の被害は少なくとも約5億円に上る。

 野菜の損傷など農畜産業の被害総額は約3億5862万円。特産のダイコンやキャベツの葉が変色したほか、農業用ハウスや牛舎が破損するなど、三浦市の被害総額は速報値で約1億6057万円となり、県内最大となった。

 「37年、農業をやっているが、これだけの被害は初めて」。そう話すのは、同市南下浦町松輪の農家杉野幸雄さん(55)。

 栽培しているダイコンの2割弱、キャベツの7割近くが塩害で葉が変色するなどの被害を受けた。ダイコンの葉は本来20センチくらいの大きさになっているところがまだ10センチほど。「9月は低温多雨で育ちが悪かっただけに、(塩害との)ダブルパンチだ」と嘆く。

 海岸から約1キロ離れた「くりはま花の国」(横須賀市神明町)では、約1・8ヘクタールの畑に植えられたコスモス約100万本がほぼ全滅した。同園によると、台風の翌日、すぐに散水して塩分を洗い流したが、効果がなかった。広報担当者は「きちんと咲かずに終わってしまったのは開園以来、初めてでは」とし、「本来ならピンクと白の花でいっぱいになるのに…」と茶色の畑を見つめた。12日に家族と来園した川戸星子さん(82)=横浜市戸塚区=も「かれんな花を期待してきたけれど、残念」と肩を落とした。

 今後、シーズンを迎える紅葉にも塩害とみられる被害が出ている。浄智寺(鎌倉市山ノ内)によると、これから紅葉する葉が変色し、かなりの量が落ちている。同寺は「きれいに色づいてくれるか、すごく心配」と気をもむ。桜の木も落葉しているといい、「来春に花を咲かせてくれるといいのだが…」と不安を口にした。


塩害の影響で葉が枯れたダイコン=三浦市初声町和田
塩害の影響で葉が枯れたダイコン=三浦市初声町和田

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