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【台風24号】「記録的暴風」暮らし直撃 ライフライン復旧後手に

社会 神奈川新聞  2018年10月02日 02:00

台風24号の影響で横転したコンテナを調べる関係者ら=1日午前9時15分ごろ、横浜港大黒ふ頭
台風24号の影響で横転したコンテナを調べる関係者ら=1日午前9時15分ごろ、横浜港大黒ふ頭

 大規模停電、住宅や施設の損壊、鉄道や道路の寸断-。列島を縦断し「記録的な暴風」をもたらした台風24号は、県内にも大きな爪痕や影響を残した。直撃コースではなかったものの、1日未明に各地の最大瞬間風速は30メートル前後に達し、藤沢など3地点で10月の観測史上最大を記録した。

 気象庁のアメダスによる観測では、最大瞬間風速は横浜で38・5メートル、三浦で36・5メートルを記録。36・8メートルに達した藤沢と、30メートルに迫った海老名、小田原の計3地点で10月の観測史上最大の強さとなった。

 台風が遠ざかり、県内全域に発表されていた暴風警報が解除された後も風の強い状態が続き、ライフラインの復旧は後手に回った。

 最大で18万1600軒に上った停電件数は1日午後8時時点でも横浜、川崎、藤沢、厚木、小田原など約6万3千軒で解消せず、市民生活に影響が広がった。東京電力パワーグリッドの関係者は「なるべく早く復旧させようと作業を進めているが、これほどの全域的な停電は経験がない」と対応の難しさを明かした。小田原市は急きょ、市民がスマートフォンを充電できるよう、4カ所の施設に電源ブースを設置した。

 鉄道のダイヤも大幅に乱れ、JR東日本横浜支社管内だけで27万人余りに影響した。鎌倉市内の送電線トラブルで運休した横須賀線の全線再開は午後4時前にずれ込んだ。京急線や小田急線、箱根登山鉄道も倒木の影響などで運休が相次いだ。

 道路の通行止めも各地で行われ、海沿いを走る西湘バイパスは強風の影響で路面に土砂が堆積。被害は確認されなかったものの、1日夕にようやく撤去作業が完了し、上下線が通行できるようになった。小田原厚木道路の下り線も通行止めが続いた。

 また、川崎市川崎区扇島では、ベリーズ船籍の貨物船「マリーナ」(1920トン)が護岸に衝突した。横浜海上保安部と川崎海上保安署によると、同船は大黒ふ頭(横浜市鶴見区)周辺に停泊していたが、強風で流されたとみられる。乗組員12人は陸上に避難し、けがはなかった。

円覚寺舎利殿の屋根が曲がる


 台風24号の影響で、国宝の円覚寺舎利殿(鎌倉市山ノ内)の屋根の角(約50センチ四方)が折れ曲がる被害が出た。裏山が地滑りを起こして木が倒れ掛かったことが原因で、文化庁の指示を待って修繕する予定。

 市文化財課によると、同寺から1日午前8時ごろ、連絡があった。


倒木で屋根の一部が破損した国宝の円覚寺舎利殿(鎌倉市提供)
倒木で屋根の一部が破損した国宝の円覚寺舎利殿(鎌倉市提供)

 市内の文化財では、光明寺(同市材木座6丁目)でも、市指定文化財の総門と、県指定重要文化財建造物の山門の屋根瓦が外れたり落下したりした。同課は「寺と相談し、被害程度を調べて修繕方法を検討したい」としている。


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