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爆発原因「特定できず」 相模総合補給廠火災で最終報告

社会 神奈川新聞  2016年11月02日 02:00

火災があった倉庫内を説明する米軍関係者 =1日午後、相模総合補給廠(相模原市提供)
火災があった倉庫内を説明する米軍関係者 =1日午後、相模総合補給廠(相模原市提供)

 在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)(相模原市中央区)で昨年8月、倉庫が爆発して全焼した火災で、市は1日、防衛省と外務省から「出火原因は特定できなかった」とする米軍の最終調査報告を受けたと発表した。市消防局は同日、補給廠に立ち入り、爆発した内部の現状について米軍から説明を受けた。

 米側は、放火や破壊行為、落雷、漏電の可能性は重ねて否定。原因は特定できなかったとした上で「(倉庫内で保管されていた)酸素ボンベに欠陥があり、漏れ出した酸素がバルブを振動させ、何らかの拍子に発生した火花が蓄積したちり等の可燃物に引火し、燃え広がったものと思われる」という見方を示した。

 爆発発生時、米軍からの要請を受けて市消防局が現場に駆け付けた。だが、米軍の担当者は倉庫に何が入っているか把握しておらず、水を掛けると危険な物質がある可能性があり市消防局は6時間放水できなかった。

 報告書では(1)倉庫内に保管している物品の詳細な管理リストを更新し米側の関係者で共有を徹底(2)夜間の連絡体制を整備(3)点検の徹底-などの再発防止策を提示した。

 報告を受けて、同日午前10時半から、市消防局と市渉外部の担当者が補給廠内に入り、在日米陸軍日米防衛協力部長らの立ち会いで約1時間半にわたって爆発のあった倉庫や隣接する屋内貯蔵所内部を確認した。

 爆発事故は昨年8月24日未明に発生。酸素ボンベや消火器が保管されていた倉庫1棟約900平方メートルを全焼。けが人はいなかった。

地位協定 高い壁




解説
 住宅街に囲まれた深夜の倉庫で爆発が起き、多くの市民を不安に陥れた火災から1年3カ月。ようやく出された最終報告で出火原因は特定されなかった。米軍は火災現場に市消防局職員の立ち入りを認める柔軟な姿勢をみせるが、背後にそびえるのは日米地位協定と米軍という高い壁だった。

 日米地位協定で基地の管理権は米国にあり、火災原因の特定は米軍が行ってきた。調査は米軍が依頼した米国の火災専門調査会社が昨年11月9~12日に実施。市消防局が立ち入り調査を行ったのは事故3日後と、今回の2度だけだった。

 市内で起きた火災であっても、消防や警察が独自に捜査して原因を究明することはできない。「原因が分かりませんといわれても、我々は一緒に調べているわけではないので、受け入れざるを得ない」(黒岩祐治知事)。立ち入りも米軍が認めなければ、できないのが現状だ。

 最終報告書で米軍が約束した再発防止策も同じような火災があった際に実施されるのかは分からない。原因不明のまま再発防止策を講じることができるかは不透明だ。


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