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クジラ死骸、東京湾漂流? 行方追う海保「航行注意」

社会 神奈川新聞  2018年09月30日 02:00

腐敗して体内にガスがたまった状態で漂流するクジラの死骸=18日(第3管区海上保安本部提供)
腐敗して体内にガスがたまった状態で漂流するクジラの死骸=18日(第3管区海上保安本部提供)

 東京湾で漂流していたザトウクジラの子どもとみられる死骸の目撃情報が9日間途絶えている。第3管区海上保安本部(横浜)は湾内か湾外のいずれかで漂流し続けている恐れがあるとして航行する船舶に引き続き注意を呼び掛けている。「腐敗が進んで海底に沈んだ可能性が大きい」と指摘する専門家もおり、巡視船艇や航空機で行方を捜している。

 クジラの死骸は体長約4メートル。16日に浦賀水道航路を航行中のタンカーから3管に通報があり、巡視艇が三浦市の剱埼灯台の沖合で確認した。その後も漂流し続け、18日には千葉県館山市の洲埼灯台の沖合で、20日に同県南房総市の野島埼灯台の沖で確認されたのを最後に、新たな情報が寄せられていない。

 海上保安官が18日に撮影したクジラの死骸はあおむけに浮かび、体はガスでふくらんでいた。気温が高い時期が続いたことで腐敗が進み、一部で皮が裂けているのが分かる。

 クジラの生態に詳しい和歌山県太地町立くじらの博物館の桐畑哲雄副館長は「その後は体内に蓄積したガスが抜けて海に沈んだ可能性が十分に考えられる」と指摘。「東京湾の湾口は水深が深いため、多彩な海底生物の餌となって海にかえったのでは」と推測する。

 3管交通部によると、20日以降は目撃したという通報がないだけでなく、周辺の海岸に打ち上げられたといった情報もない。

 担当者は「湾内にクジラの死骸があるとすぐに目撃情報が入ってくるはず。最後に確認された海域からすると、場合によっては湾外に漂い、黒潮で流された可能性も考えられる。沈んだ可能性も含めて断定的なことは言えない」と、こつぜんと消えた巨体の行方に首をひねる。


漂流するクジラの死骸を確認した海域
漂流するクジラの死骸を確認した海域

 航行に支障となる長い木材などの大型漂流物の場合、すぐに除去できなければ夜間に灯光を発する灯浮標を設置することがある。しかし、クジラの死骸には灯浮標が付けられる状態ではなかったという。

 担当者は「クジラの死骸の行方が分からない以上、海保として安全宣言を出すわけにもいかない。目撃された周辺海域では引き続き注意して航行してほしい」と呼び掛けている。


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