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【連載】県内基準地価<下>利便性 企業集積進むMM21

経済 神奈川新聞  2018年09月20日 09:40

企業の本社やR&D拠点の建設が進むMM線新高島駅周辺
企業の本社やR&D拠点の建設が進むMM線新高島駅周辺

R&D


 2014年5月、みなとみらい(MM)線新高島駅近くに開業した大規模オフィスビル「アイマークプレイス」。立地する横浜市西区みなとみらい4丁目は、今年の基準地価で商業地の上昇率2位に入った。

 横浜・みなとみらい21(MM21)地区のオフィス需要は高水準が続く。同ビルには調味料メーカーのエバラ食品工業やファストフード大手の日本KFCホールディングスが本社を構えるほか、周辺では資生堂(東京都)や村田製作所(京都府)などが研究開発(R&D)拠点の開設を予定している。

 「全てを自前で調達するのではなく、製品開発のために組織外の知識や技術を積極的に取り込む『オープンイノベーション』を重要視する企業が増加したことが背景にある」。浜銀総合研究所の城浩明主任研究員は、MM21地区への相次ぐR&D拠点設置は企業の新たな戦略と深く関係していると指摘する。


通勤客


 MM21地区は地価の高騰が続く都心と比較して用地取得がしやすく、業務系のほか商業、文化など多機能が集積。さまざまな企業関係者が国内外から集まる上でもアクセスが良く、研究者の居住環境として理想的な場所でもある。

 働く人が増えればまちのにぎわいも増し、商業地としての注目度も高まる。新高島駅の乗降客数は右肩上がりで増えており、17年度の乗降客数は前年に比べて60%増加。横浜高速鉄道の担当者は「企業の集積で通勤定期利用者も大幅に増えている。同年に完成した横浜野村ビルのインパクトも大きかった」と話す。


ニーズ


 城主任研究員は「工業地でも、主に物流拠点として適している場所の価格が上昇しているように、近年の県内地価動向は、利用者にとって利便性の高い場所が評価されるという極めて合理的なもの」と話す。

 訪日外国人客(インバウンド)が増え、商業地としての地価が上昇している箱根町についても「外国人旅行客に便利なキャッシュレス決済などが普及し、利便性が向上すればさらなる成長が見込めるのでは」と分析する。

 箱根では小田急電鉄グループが大型投資を予定していることもあり、インバウンドばかりでなく国内からの宿泊客増加への期待は高い。城主任研究員は「神奈川にはまだまだ成長のポテンシャルがあるが、まちの活性化のためには市場のニーズをつかんだ緻密な計画が必要だろう」としている。


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