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自治体の農園で障害者雇用 川崎のNPOと共同運営

社会 神奈川新聞  2018年09月17日 11:10

市都市農業振興センターと共同で福祉交流農園を運営するNPO法人「あかね」理事長の山崎さん(右)と館山さん=川崎市中原区井田中ノ町
市都市農業振興センターと共同で福祉交流農園を運営するNPO法人「あかね」理事長の山崎さん(右)と館山さん=川崎市中原区井田中ノ町

 川崎市都市農業振興センターは、障害者支援に取り組む高津区千年のNPO法人「あかね」と共同で福祉交流農園の運営を始めた。市の農業部門と福祉事業者が協定を結んで農園管理を行うのは初めて。担い手不足の農業と障害者雇用という課題の同時解決を目指す「農福連携」が動きだした。

 農園は中原区井田中ノ町にある約1500平方メートル。9月に障害者も加わってダイコンやカブの種、ブロッコリーやキャベツの苗などを植えた。12月に初の収穫祭を予定している。

 高齢化などの理由で農業を続けられなくなった農家が約3年前に休耕中の土地を市に寄付。同センターは農地を守るとともに、障害者が活動する場として活用することを決めた。

 「あかね」は現在、身体障害、精神障害、知的障害のある18人の利用者が通う地域活動支援センターを運営している。障害者はパソコンや浄水器の分解作業のほか、自家製ジャムの製造・販売などに携わる。

 利用者の農作業への従事は20年ほど前から実施。いまは山梨県北杜市の土地を職員と障害者が共同で耕し、野菜栽培を続けている。今回、市と管理協定を結んだ中原区の農園でも、種まきなどのほか、重機を使って伸びた草や石などを取り除き、畑を整備した。

 「あかね」の山崎一男理事長(77)は「野外での作業を希望する人も多く、農作業をやれば心身の健康を保てる。将来、農園がうまくいけば障害者の賃金も増える可能性がある」と連携に期待している。

 山崎理事長によると、従来の作業やイベントでの販売活動で得られる障害者の月額賃金は平均約1万7千円だという。体力を使う農作業に携わった障害者には特別手当として賃金を増額することも検討している。

 「あかね」の職員はパートを含め7人で、実家が農家だった職員の館山武尚さん(69)が指導する。「農業はそう簡単ではないが、採れたての野菜を、買い物に行くのが大変なお年寄りや地域の人々に提供していきたい」と話す。

 共同運営の協定期間は今年8月27日から2020年3月末までの約1年半で、草取りや収穫を手伝うボランティアを募集する。同センターは「農業と福祉の双方のためになるよう、共同運営の課題を洗いだしていく」という。


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