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【性的少数者】パートナーシップ制度 現実先行、法に遅れ 首都大学東京・木村草太教授 

時代の正体 神奈川新聞  2018年09月03日 10:50

同性婚を認めない現行法の憲法上の問題点について解説する木村草太教授
同性婚を認めない現行法の憲法上の問題点について解説する木村草太教授

【時代の正体取材班=田崎 基】性的少数者のカップルをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ制度」。全国で導入が拡大しつつあり、千葉市の表明で10自治体を数える一方、県内自治体は軒並み後ろ向きな姿勢だ。世界的な潮流は、さらに一歩進んだ「同性婚」を認める方向にある。憲法学者の木村草太・首都大学東京教授に現状と問題点を聞いた。

     ◇

 パートナーシップ制度は当事者にとって需要のある制度であるから、多くの自治体で導入を進めるのが望ましいだろう。

 では一歩進んで、現在は認められていない「同性婚」について法制度化するのはどうか。これに対し、婚姻を定めた憲法24条との関係で「同性婚を認めることは現行憲法上、違憲だ」という主張が一部である。

 憲法24条前段は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し(以下略)」とある。憲法学の通説は「憲法24条は、同性婚について何も言及していない」と解釈している。つまり法的に保護しても、保護しなくても違憲ではないというのが、大半の研究者の考え方だ。従って、24条は同性婚を禁じていない。

権利・自由の問題


 ではなぜ、そのように理解するのか。

 憲法解釈の基本は、国民の権利・自由を定めた条文は、できる限り広く保障する方向で解釈する。これが大前提だ。

 例えば憲法21条には「集会、結社及(およ)び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と書いてあるが、この条文について、「ここに列挙している自由や表現の自由以外の自由は保障しない」とは読まない。

 もう一つは24条の沿革からみても同性婚を禁じているとは考えられない。明治憲法下では家制度に基づき、戸主(父や祖父など)が同意しなければ婚姻ができなかった。そうした制度をやめ、男女間の不平等を解消し、当事者の意思のみによって結婚できるようにするために24条が作られた。従って「同性婚を禁ずるため」に作られたわけではないのはこの点からも明らかだ。

 こう考えると「同性婚を認めるには24条改正が必要」という言説は、学会の通説からも、歴史的経緯からも適合しないということになる。

「平等権」として


 では「同性婚が認められていないことは違憲だ」という主張はできないのだろうか。

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