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町工場の技、めくれるクリップ 地元企業連携、新製品受賞

経済 神奈川新聞  2018年09月02日 10:44

折り目がつかず、めくれるクリップ
折り目がつかず、めくれるクリップ

 町工場やデザイン会社が手を組み、書類などを挟んでまとめる金具クリップの新製品を開発した。折り目がつかずに紙をめくれるのが特長で、6月の「日本文具大賞2018」機能部門で優秀賞を受賞。独創的な機能が高く評価された。開発を主導した藤沢市の会社社長は「まだいろいろアイデアがある。デザインのいい便利な文具を出していきたい」と意気込んでいる。

 クリップの新たな可能性を広げた製品の名は、そのものずばり「CLIP(クリップ)」。金型設計などを手掛ける「モールドテック」(同市菖蒲沢)が展開する文具ブランド「Factionery(ファクショナリー)」シリーズの一つだ。

 同シリーズは、「もともと文具好き」という同社の落合孝明社長(44)が4年前、「展示会で技術を説明しやすいからと定規を作って出展した」のをきっかけに立ち上げた。

 連携しているデザイン会社「西村拓紀デザイン」(東京都中央区)で、インターンをしていた女子大学生の一言が開発の始まりだった。「苦労して作ったレポートが、くしゃくしゃになって返ってくるのが嫌。めくれるクリップがあれば」。そんなアイデアを出発点に、精密ばね加工メーカーの五光発條(横浜市瀬谷区)が、約4カ月かけて開発した。


受賞した「CLIP」を手にする落合社長=モールドテック
受賞した「CLIP」を手にする落合社長=モールドテック

 クリップの端がばね状になっており、連結すると回転してスムーズにめくれる仕組み。複数つなげてページを増やすことができる。「めくるときは外れず、手で引っ張ると簡単に外れる。連結部分の精度に高い技術力が必要で、絶妙なはめ具合は容易にまねできない」と落合社長。町工場の高い技術力をなくしては実現は不可能だった。

 文具大賞は機能・デザインの2部門があり、2017年7月8日以降に発表された文具からそれぞれ5製品が優秀賞に選ばれた。落合社長は「すごくうれしい。何百通も問い合わせのメールがあり、手に負えないぐらいの反応」と、笑みを浮かべる。

 金属加工とは別分野の企業から「一緒にやりたい」という申し入れも複数あったという。落合社長は「違う分野には知らない情報や需要があり、同世代の中小企業には技術力がある。受賞を契機に連携先を増やし、新しい仕事をつくれたら」と期待する。

 CLIPは5個入り650円(税別)。問い合わせは、モールドテックのホームページから。


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