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川崎市内のホームレスが最少 ピーク時の3割弱

社会 神奈川新聞  2018年08月27日 09:21

川崎市内のホームレスの推移
川崎市内のホームレスの推移

 川崎市が実施した市内のホームレスの実態調査で、今年1月時点のホームレスは300人(前年比41人減)で、市内全域で統計を取り始めた2003年以来、最少となったことが分かった。最も多かった2003年(1038人)の3割弱にまで減少。09年からは9年連続で減少しており、市は「自立を支援する施設への案内など、地道な巡回相談の結果が漸減につながっている」としている。一方で、支援策を受けた人のうち約4割が自立を果たせない厳しい現実もある。

 市生活保護・自立支援室によると、300人の内訳は男性279人、女性11人、性別不明は10人。区別では川崎区が半数近い146人(前年比2人増)を占め、中原区60人(同22人減)、幸区37人(同15人減)、高津区29人(同6人減)の順に多かった。

 生活している場所別では、河川敷が半数の149人。道路58人、公園47人、公共施設や駅前広場など36人の順だった。

 減少の背景には、市が継続的に進めるさまざまな支援策がある。市は06年度から、ホームレスの自立支援センター事業を開始。巡回相談員は毎日交代で市内を回り、ホームレスの健康や生活状態を確認した上で、市内3カ所にある自立支援センターへの入所を勧めている。センターは川崎区日進町、幸区南幸町、高津区下野毛にあり、総定員は145人。原則3カ月間、衣食住を無料提供する。市によると、センターの稼働率はここ数年9割を超えている。

 入所後は当事者が支援員や福祉事務所のケースワーカーらとともに、就労や生活保護の受給を含め、退所後の自立のあり方を検討する。就労を手助けするため、履歴書の書き方やビジネスマナーを身につけることができるセミナーも開催している。


自立支援センターの娯楽室。入所者同士の交流の場ともなっている=川崎市川崎区日進町
自立支援センターの娯楽室。入所者同士の交流の場ともなっている=川崎市川崎区日進町

 また、市は14年度からセンター退所後を見据え、集合住宅での生活ルールに慣れてもらうための「ファーストハウス」事業を開始。市営住宅の空き部屋をあっせんし、自立した生活を送ってもらうとともに、支援員が折に触れてサポートしたり、見守ったりする態勢を整えている。

 市によると、17年度にセンターでの生活を経て退所したのは658人。うち、151人が就労先を得て自立し、235人が生活保護を受給した。一方で、約4割に当たる272人は「残念ながら、自立に至らず自主退所などになったケース」(同市)。就労意欲がなく、再びホームレスとして暮らしたり、簡易宿泊所などを渡り歩いたりしているとみられる。退所後、行方をつかめないケースがほとんどで、こうした人々への対処が課題になっている。

 市の担当者は「当事者の内面の意識を変えるのは難しいが、根気よく自立を促すしかない。長期間、路上生活をしている人の中には、かたくなに行政の支援を拒む人もいる」とし、「酷暑の今夏は命に関わるケースも考えられる。今後も自立支援センターへの入所案内を地道に行っていきたい」と話す。


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