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戦後最大級台風に対応する堤防など整備へ 相模川・中津川

社会 神奈川新聞  2018年08月26日 09:34

より多くの水量を流せるように改築が計画に盛り込まれた磯部頭首工(相模原市南区)。右奥の堰上流部分は樹林化して水が流れにくくなっている
より多くの水量を流せるように改築が計画に盛り込まれた磯部頭首工(相模原市南区)。右奥の堰上流部分は樹林化して水が流れにくくなっている

 県と国土交通省関東地方整備局は、相模川と中津川について今後20~30年間の整備内容を盛り込んだ「相模川水系相模川・中津川整備計画」をまとめた。1947(昭和22)年に襲来して相模川周辺に大規模な洪水を引き起こしたカスリーン台風級の台風に対応できるよう堤防などを整備する。

 相模川の整備はこれまで、66(昭和41)年の相模川水系工事実施基本計画に基づいて行われてきた。だが、97(平成9)年の河川法改正により、従来の「治水」「利水」に加えて「環境」の視点が盛り込まれたことを受け、県が今年7月、初めて「相模川水系相模川・中津川整備計画」を策定した。

 相模川では、古くは1907(明治40)年と10(同43)年に台風による洪水が起き、死者・行方不明者が出た。戦後は47(昭和22)年にカスリーン台風が襲来。2日間で457ミリの雨が降って、厚木付近の流量が毎秒6900立方メートルと戦後最大を記録し、昭和橋(相模原市南区)上流の堤防が決壊した。これ以降も2011(平成23)年まで10回の洪水が起きている。ただ、本流の堤防を越えて水があふれたのは1982(昭和57)年が最後で、それ以降の洪水は支流からの水などによる被害となっている。

 このような洪水被害を防ぐため、整備計画では相模川で計11・8キロ、中津川で計3・8キロの区間について、堤防の高さや幅が不足しているとして整備を進める。また、川が流せる水量を確保するため、河道の掘削を計13・4キロの区間で行う。

 7月の西日本豪雨被害では中州などに生い茂った樹木が川の流下能力を低下させたことが堤防決壊、氾濫の一因だったと指摘された。相模川中流の磯部頭首工(相模原市南区)周辺でも土砂がたまって樹林化が進み、十分な水を流せなくなっていることから、現在の固定堰を可動堰にするなど何らかの改築を行うことも盛り込んだ。

 ダムによって上流の土砂が下流に流れなくなり、河口付近の海岸侵食につながっていることも課題の一つ。現在、相模湖でしゅんせつした土砂を中津川と小鮎川が合流する三川合流地点(厚木市)の上流に置いて川の流れで下流に運ばせる置き砂や、河口付近の茅ケ崎市内の海岸に土砂を置く養浜事業を行っており、今後も効果をモニタリングしながら継続する。

 担当する県河川課は「洪水被害を防ぐために整備計画を着実に進めていきたい」と話している。


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