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ベトナム戦争の被害追い続け 報道写真家の中村さん、横須賀で展示会

社会 神奈川新聞  2018年08月22日 02:00

生後10カ月のベトちゃんドクちゃんの写真などを前に、来場を呼び掛ける中村さん(右)と印田さん=横須賀市久里浜
生後10カ月のベトちゃんドクちゃんの写真などを前に、来場を呼び掛ける中村さん(右)と印田さん=横須賀市久里浜

 ベトナム戦争の枯れ葉剤被害を取材し続けるフォトジャーナリスト・中村梧郎さん(77)=さいたま市=の写真展が、横須賀市久里浜の「湘南しんきんギャラリーくりはま」で開かれている。下半身がつながった結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」をはじめ、長年、追い続ける現地の人々などを捉えた約50点を展示。中村さんは「ベトナム戦争は終わっていない。現実に関心を持つきっかけになれば」と話している。24日まで、入場無料。

 ベトナム戦争の取材を始めたのは通信社の特派員だった1970年。取材を重ねる中で、枯れ葉剤の問題が気になり始めたという。

 「米国によって枯れ葉剤がまかれた後の土地はまるで砂漠。何も残らない。とてつもなく毒性の強いもので、死産や流産、障害のある子どもが生まれるといった話が聞かれるようになった。次世代への影響を考えるためにも記録しなくてはと思った」。75年の終戦後は、フリーのジャーナリストとして現地へ通った。

 81年に生まれたベトちゃんドクちゃんを撮影した写真が日本で注目を集めた。その後も2人の成長を追い、88年の分離手術の際には写真家として唯一、立ち入りを許された。ドクさんとは今も親交があり、中村さんが、今も多くいる枯れ葉剤の被害者らを支援しようと、今年1月にホーチミン市で開催したチャリティーマラソンには、ドクさんの姿もあったという。

 会場には分離手術の時の様子や、片腕を失った少女、枯れ葉剤の影響で切り株だけとなったジャングルなどのモノクロ写真が並ぶ。中村さんの写真に感銘を受けた印田信之さん(65)=横須賀市=が直接働き掛けて開催を実現。「戦争の恐ろしさを特に若い世代に知ってもらいたい」と話している。

 22日午後6時半からは、中村さんの講演会が同市本町の産業交流プラザで予定されている。参加費500円。

 問い合わせは、印田さん携帯電話090(3431)1450。


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