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横浜港、外国人乗客照準 集客増へ官民連携で仕組みづくり

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2018年08月20日 15:15

外国人乗客に、横浜観光をPRする「横浜ショッピングキャンペーン実行委員会」の関係者=5月19日、大さん橋
外国人乗客に、横浜観光をPRする「横浜ショッピングキャンペーン実行委員会」の関係者=5月19日、大さん橋

 東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年には、クルーズ客船で日本を訪れる外国人観光客を500万人にする-。「観光立国」を進める政府はクルーズ客船を地方創生の切り札の一枚として、全国でクルーズ拠点の整備に力を注いでいる。寄港地では活性化に期待が高まるが、上陸後にバスで大型商業施設に向かい、地元を“素通り”するケースが後を絶たない。東日本を代表する横浜港でも同様の悩みから、地域が潤う仕組みづくりが始まった。

 クルーズ客船で訪れた外国人客に地元への周遊を促そうと、横浜港では外国人客が自分のスマートフォンで通信できるポケットWi-Fi(無線LAN)を無償貸与する実証実験が行われている。

 渋谷や銀座、東京タワー…。利用エリアを分析したところ、横浜から東京都内に向かっていた外国人客は実に全体の9割近くに達した。

 「スクランブル交差点や有名百貨店があり、ドラマやアニメの舞台で知られる東京に行きたいという外国人観光客の声が多かった」

 横浜の主要商業施設が連携して外国人客の誘致を手掛ける「横浜ショッピングキャンペーン実行委員会」の田原和彦事務局長は予想以上の結果に驚いた。


大黒ふ頭に着岸した大型クルーズ客船の外国人乗客向けに登場した臨時免税店=4月27日、横浜港
大黒ふ頭に着岸した大型クルーズ客船の外国人乗客向けに登場した臨時免税店=4月27日、横浜港

 実行委は、大黒ふ頭の貨物用岸壁に超大型客船が入港した際には臨時免税店を出店して共同販促を展開。市内で観光やショッピングを楽しんでもらえるように案内業務にも官民連携で力を入れてきた。

 「ほとんどの外国人客が東京に向かう現実を受け入れるしかない」。実行委は無料配布している横浜港のガイドマップを改版。従来は横浜地域限定だった鉄道路線図のエリアを首都圏全体に拡大。港に近い横浜駅周辺に充実している商業施設や、東京をはじめ鎌倉や富士山など近隣の観光地への移動がしやすい横浜の利便性の良さを売り込む戦略に切り替えた。

 客船の誘致によって、にぎわいの相乗効果を狙う動きは「横浜最大のテーマの一つ」(横浜港振興協会・小此木歌藏副会長)。昨年には、同協会と横浜川崎国際港湾、市港湾局が3者で「横浜港客船誘致戦略会議」を発足した。県内自治体や、寄港地観光を企画するランドオペレーターと呼ばれる事業者にも接触を図りながら、横浜港を拠点に市内や県内の観光地を巡るルート開発に力を入れる。

 こうした動きを支援しているのは国土交通省関東地方整備局。クルーズ客船の乗客による地域振興や特産品の輸出振興に資する官民一体となった「YOKOHAMAクルーズサポートチーム」を組織した。6月の会合では、今秋のクルーズシーズンに向けて横浜への集客プランを掲げた。

 その一つは、横浜市中区の観光名所、三渓園の観光や食のメニューの充実と市内商業施設との連携による新たなルートの提案。担当者は「さらに増加が見込まれるクルーズ客船の外国人客を地元でしっかりと受け入れていきたい」と意気込んでいる。


乗客定員4300人超の大型クルーズ客船「MSCスプレンディダ」=横浜港・大黒ふ頭
乗客定員4300人超の大型クルーズ客船「MSCスプレンディダ」=横浜港・大黒ふ頭

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