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【甲子園】エース 猛打に屈す

高校野球 神奈川新聞  2018年08月14日 02:00

写真左から、2回に7点を失った慶応のエース生井、9回を打者3人で終え、雄たけびをあげながらベンチに戻る渡部=甲子園
写真左から、2回に7点を失った慶応のエース生井、9回を打者3人で終え、雄たけびをあげながらベンチに戻る渡部=甲子園

渡部/気迫の無失点。生井/早すぎる降板
輝き続けた二枚看板


 「ごめん…」

 四回。慶応のエース生井は10点目を与えたところで、背番号10の渡部に白球を託すことになった。初戦では八回途中まで踏ん張った末の継投だったが、この日は、その場面があまりにも早く訪れてしまった。謝ることしかできなかった。

 猛打の高知商打線に、マウンドでなすすべがなかった。初回。先頭に初球のスライダーを中前に痛打された。続けて内角直球を左中間への三塁打とされ、打者2人で1点を失った。変化球と真っすぐが早々と攻略され「映像で見ていた以上にいい打者ばかりだった」。二回にはミスが絡んで7失点を喫した。

 「球は悪くなかった。エースとして何とかあの流れを食い止めてくれたらと思っていたが…」と森林貴彦監督(45)。チームの誰もが、陸の王者をこの1年間けん引してきた背番号1を信じていたが、力尽きた。

 タイプの異なる生井と渡部。2人で力を合わせて勝ってきた。北神奈川は東海大相模との準決勝、桐光学園との決勝、サヨナラ勝ちした甲子園の初戦も生井-渡部のリレーで激闘を制した。

 だから、白球を渡された渡部は「ずっと生井が勝たせてくれた。最後は自分がやってやる」と、諦めなかった。

 直球と緩い変化球でカウントを取り、カットボールで三振を量産した。五回以降、4度の三者凡退でゼロを並べ続け、無失点、6奪三振。チームは勝たせられなかったが、「今までで一番の投球」(渡部)だった。

 試合後、生井は繰り返した。「苦しい時、いつも淳一(渡部)が後ろで抑えてくれた。自分だけじゃない。ずっと二枚看板でやってきた」。甲子園のマウンドで輝いた仲間が、何より誇らしかった。


【慶応-高知商】9回裏慶応1死一、三塁。宮尾が右犠飛を放ち、6点目を挙げる
【慶応-高知商】9回裏慶応1死一、三塁。宮尾が右犠飛を放ち、6点目を挙げる

1番宮尾、攻守で活躍


 初回に一時逆転の足掛かりとなる先頭打者安打を放った宮尾は、「打ち合いになると思って初球を狙っていた」と振り返った。不動の1番打者は甲子園初戦でサヨナラ打を放ち、この日も2安打1打点。守備でも再三の好守を見せた。

 夢はプロ野球選手。「もっともっと甲子園で上にいて自分のプレーを見てほしかった。上を向いて、次のステージでやっていきたいと思う」と先を見据えていた。

相手の勢いにのまれた
 慶応・森林貴彦監督(45)の話 二回に守備にミスが出て、何とか流れを食い止めたかったが、相手の勢いにのまれた。序盤での継投も考えたが、結果的には後手に回ってしまった。

諦めない姿勢は示せた
 慶応・下山悠介主将の話 ミスは出るもの、ミスが出ても勝つということでやってきたが、二回は焦りが生まれた。それでも最後まで前向きな姿勢で全員で諦めない姿勢は示せたと思う。

要所での2併殺大きい
 高知商・上田修身監督(56)の話 初回を2失点に抑えられたのと、要所での2併殺が大きかった。攻撃につながる守備ができた。打線は初球から積極的に甘い球を打ってくれた。

打線つなぐ意識あった
 高知商・山中大河主将の話 初回に逆転されて焦ったが、そこで守備からリズムがつくれた。甘い球を積極的に打っていくいつもの打撃ができていたし、一人ずつ、つなぐ意識があったと思う。


【慶応-高知商】6回表高知商2死二塁。北代の打球で本塁を狙った二走・藤田をタッチアウトにする捕手・善波
【慶応-高知商】6回表高知商2死二塁。北代の打球で本塁を狙った二走・藤田をタッチアウトにする捕手・善波

捕手善波、強打に脱帽


 生井、渡部の両左腕を支え続けた2年生捕手善波は「相手打線は厳しい球をファウルにするし、少し甘くなると逃さない。最後までつかみきれなかった」と高知商の強打に脱帽した。

 打席では初回2死満塁のチャンスで遊飛に倒れるなど、聖地では無安打に終わった。新チームの柱となる背番号2は、「先輩たちの力は大きかった。隙をつくらず、かつ相手の隙につけ込むことの大切さを身をもって知った。甲子園で勝てる強いチームをつくり上げていく」と誓った。


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