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障害者に生のクラシックを 横須賀出身ソプラノ歌手が披露

話題 神奈川新聞  2018年08月13日 15:52

ステージから客席に降りて歌声を聞かせる松永さん(中央)=横須賀市文化会館
ステージから客席に降りて歌声を聞かせる松永さん(中央)=横須賀市文化会館

 横須賀市出身で、現在は日本とドイツで活動するソプラノ歌手・松永知史(ちふみ)さんらが10日、「みんなで楽しむコンサート」を市文化会館(同市深田台)で開いた。地元の養護学校で勤務した経験を基に、障害の有無や年齢の垣根を越えて観客が楽しめるコンサートを3年ぶりに企画。幼児からお年寄りまで約800人が音楽を満喫した。

 松永さんは5年ほど前、県立武山養護学校(同市武)で音楽教諭として勤務した経験を持つ。その際、「『声や音を出して周囲に迷惑を掛けるのでは』と心配で、コンサートホールには行けない」との保護者の声をよく耳にしたという。

 ソプラノ歌手として日本とドイツを行き来する中、「お世話になった方々に、恩返しができないか」と考えた際、頭に浮かんだのが保護者の言葉だった。2015年に障害のある子どものためのコンサートを市内で開催。再演を待ちわびる声に押され、今回は会場をスケールアップした。

 コンサートには、バイオリン奏者の三浦章宏さんやピアノ奏者の東誠三さんも出演し、クラシック曲から日本の童謡まで披露。観客は手拍子をたたいたり、歓声を上げたりしながら、思い思いに音楽を楽しんだ。松永さんが歌いながらステージを降り、観客とダンスを楽しむ場面もあり、客席を大いに沸かせた。

 知的と視覚の障害がある長女(22)と来場した母親(52)は「普段は音楽をCDでしか聴けないが、今日は娘も生の演奏に触れてうれしそうだった」と喜んだ。

 コンサート終了後、松永さんは「『ホールでは静かにしないといけない』という先入観にとらわれず、難解と思われがちなクラシックを喜んで聴いてもらえて本当に良かった」とほほ笑んだ。


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