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新型コロナ
「自粛」の名の下に… 問われる「憲法」との向き合い方

社会 神奈川新聞  2020年05月03日 05:00

 人心をも蝕(むしば)む新型コロナウイルスの感染拡大。それは憲法にも影を落とす。本来は権力を縛り、国民の権利を保障する最高法規だが、不安や恐怖を背景に、私たち自らが「自粛」の名の下に自由や権利の制約を望む声さえ強まっている。憲法施行から3日で73年。コロナ禍一色に染まる中、改めて憲法との向き合い方が問われている。

 「集会の開催に向けて議論する以前に、そもそも自粛した方がいいという空気が強かった」

 県内の市民グループや個人、労働組合でつくる「かながわ憲法フォーラム」共同代表の中森圭子さん(64)は、コロナ禍で「私たちが最も大切にしてきた民主主義が急に機能しなくなった」と戸惑いを隠せない。

 安全保障関連法の成立から5年を今秋に控え、中森さんらは4月30日に集会を予定していた。3月の準備段階から「今は開催しない方がいい」という雰囲気がじわじわと支配的になり、感染防止策などの具体的な話し合いができなかったという。政府が4月7日に県内などに緊急事態宣言を出したことで予定していた会場が臨時休館となり、中止が決まった。

 生活の場から市民感覚で幅広く憲法を考えようと、戦後50年の1995年から活動を続けてきた。憲法が保障する集会や表現の自由、権利は「国民の不断の努力によってこれまで保持してきた」と信じてきた。

 しかし、コロナ禍による混乱に加え、政府による緊急事態宣言により、自ら集会を自粛したり、互いに過度に自粛を求める「自粛警察」のような事態に陥ったりしている。中森さんは、自由の規制を求め、罰則など権利の抑制を期待する声が国民の側から上がっていることに、もどかしさを感じる。

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