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困り事、地域で助け合う 買い物、話し相手 横浜のボランティア団体に注目

社会 神奈川新聞  2018年08月08日 10:20

庭木を伐採するボランティアグループ「茶卓」のメンバー =横浜市港南区
庭木を伐採するボランティアグループ「茶卓」のメンバー =横浜市港南区

 生活のちょっとした困り事を地域住民が助け合う横浜市港南区のボランティアグループ「茶卓(ちゃたく)」の活動が注目を集めている。同区に住み、長く地域福祉に携わってきた代表の山尾宏子さん(86)と、横浜市東永谷地域ケアプラザ(東永谷CP、同区)が2013年に立ち上げ、メンバーは地域のシニア世代が中心。「お互いさま、おじゃまさま」を合言葉に、人とのつながりが広がる関係づくりを目指している。

 5月中旬、港南区内の女性(52)宅に茶卓のメンバー4人が集まった。この日の活動は庭の手入れ。女性は80代の両親を介護中で、「余裕がなく、できないことが多くなってきた」ため東永谷CPに相談し、茶卓を紹介された。

 作業は3時間ほど。持参した電動のこぎりで作業した高橋寿一さん(77)は「もともと園芸が好きなので、苦にならない」。雑草を抜いていた80代の岸とめ子さんは「活動で一日の活力をもらい、横のつながりもできる」と笑顔を見せた。木を切り倒した橋村憲治さん(78)は「5年ほど活動している。『きれいになった』と言われるとうれしい」と汗を拭った。すっきりと見違えた庭を見た女性は「ほっとした。親身になってもらい、久しぶりに心が温かくなった。今後は別の形で恩返しができれば」と安心した面持ちだ。

 茶卓は買い物や話し相手、通院の付き添いなど、遠くに住む家族を呼ぶのは大げさだが、自分でするには難しいことを地域に暮らす住民同士で気軽に手を貸し合う活動をしている。

 5年ほど前、同CPに地域の高齢者から草取りの相談が相次いだことが立ち上げのきっかけ。職員の佐藤真由美さんがボランティア団体などに問い合わせたが折り合わず、旧知の山尾さんに話すと「周囲に声を掛け、すぐに人を集めてくれて驚いた」(佐藤さん)という。

 「身近な地域で助け合いの仕組みをつくりたい」という思いから、13年12月に活動を開始。打ち合わせの際、手元にあった茶卓を地図に伏せ、東永谷CPから半径500メートルをおおむねの活動範囲に決めたことが名前の由来になった。住まいの地区や年齢、家族構成などで利用者を限定しないことも特徴だ。

 費用は原則1時間500円。約40人のメンバーは多くが70歳以上で、利用をきっかけに仲間に加わった人もいる。自身の経験や趣味を生かすだけでなく、認知症のメンバーに得意分野の手伝いを頼むこともあり、各自ができる範囲で取り組む。「足が悪くても料理ができるとか、料理ができなくても重い物が持てるとか。お互い助け合っていければいい。必要ない人はいない」が活動の基本だ。17年度の依頼は庭の手入れや買い物など137件に上った。

 また、顔なじみの関係を増やすことを目的に、地域住民の家で食事会を開く「おじゃまさま」という活動も展開。山尾さんは「狭く考えず、住んでいる人が広げていけばどんどん広がる。茶卓メンバーの住まいから500メートルが範囲と考えたら、いろいろな所でいろいろなことができる」と話す。


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