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苦境の江の島 島民に独自支援金10万円

社会 神奈川新聞  2020年05月01日 10:37

シャッターを下ろす店が並び人影がなくなった江島神社へ向かう参道(弁財天仲見世通り)=30日午前11時半ごろ、藤沢市
シャッターを下ろす店が並び人影がなくなった江島神社へ向かう参道(弁財天仲見世通り)=30日午前11時半ごろ、藤沢市

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃している県内屈指の観光地・江の島(藤沢市)で、住民が一丸となって苦境を乗り切る動きが出始めた。島内の住民組織・江の島振興連絡協議会は30日までに、加入する全世帯に独自の支援金10万円を支給。大規模災害を想定し40年前から積み立ててきた財産を初めて取り崩した。湯浅裕一会長は「助け合いの精神が江の島の伝統。島を挙げて危機的状況を乗り切ろうという思いを共有する」と語る。

 コロナ禍を受け、江の島を訪れる観光客は2月ごろから減り始めた。しかし、緊急事態宣言後の週末には、自粛疲れとみられるレジャー客らが押し寄せることも。県や藤沢市、市内経済3団体は「今は湘南の海に来ないで」と異例の訪問自粛を呼び掛け、島内のほぼすべての飲食店、土産物店が休業に踏み切った。

 これまで、大型台風など大規模災害をはじめ数々の試練を克服し、観光客を増やしてきた江の島。東日本大震災の際も店舗は2~3週間の休業を余儀なくされたが、復興の歩みとともに客足は戻ってきた。

 しかし、今回は「経済的疲弊が国境を超え、先が見えない」と湯浅会長。自然災害とは異なるが、事業者を中心に島内は危機的な状況にあるとして、一律10万円の支給を決めた。

 島民の自治活動や島の観光振興などに取り組んでいる同協議会は、東町、弁天会、西町の3町内会で計170世帯が加入する。とりわけ苦境に陥っている観光関連の事業者は70世帯だが、危機的状況を住民一丸で乗り切るため、支給対象を全世帯とした。

 湯浅会長は「財源とした財産は島民が大きなピンチに直面したときに使うため、40年間少しずつ貯金してきた。緊急事態に直面する中、支援金を通じて島民一人一人が島のまとまりを改めて実感してくれたと思う」と、相互扶助の大切さを強調した。


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