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【甲子園】慶応、粘り強さを武器に 「ミス出ても勝つ」

高校野球 神奈川新聞  2018年08月06日 02:00

9回裏慶応2死一、二塁。宮尾の中前適時打でサヨナラの生還を果たし、ガッツポーズする二走善波
9回裏慶応2死一、二塁。宮尾の中前適時打でサヨナラの生還を果たし、ガッツポーズする二走善波

 劇的なサヨナラ勝ちも、積み重ねてきた「いつも通り」の結実だ。

 同点の最終回も2死走者なし。慶応・森林貴彦監督(45)は思っていた。「球場全体が『延長だろう』という空気だった。チャンスをつくれば逆にサヨナラあるぞ」。8番善波が四球を選び、関が右前打でつなぎ、果たして宮尾が監督の予感を現実のものとした。

 東海大相模との北神奈川準決勝、桐光学園との決勝という強豪との接戦を合わせた3試合で17得点中9点が2アウトからだ。追い込まれてからの粘り強さは、1年かけてつくり上げてきた武器だ。

 ミスが出ても崩れなかった。七回の守備で大川が左前打を後逸し、そのまま打者走者が同点のホームイン。本人は「頭が真っ白になった」というが、生井が次打者を三振に切って試合をつなぎとめれば、八回1死一、三塁の大ピンチも捕手善波がスクイズを外して三走を刺した。

 「負けていたら大川が野球をやめていたかもしれないところを、みんなで救ってくれた」と指揮官。主将下山も「ミスを取り返すというより、ミスをしてもやるべきことを続けられる強さ」と誇る。これこそ、失敗を恐れさせず、「ミスが出ても勝つ」ことを掲げてきた森林野球だった。

 100回目の記念大会で、神奈川勢として春夏通算200勝目を飾った。「短期決戦には勢いが必要。サヨナラは一番勢いがつく勝ち方」と下山。8強に躍進した90回大会に続き、節目の慶応は何か持っている。


監督としての甲子園初勝利に感無量の慶応・森林監督
監督としての甲子園初勝利に感無量の慶応・森林監督

善波が会心のプレー

 捕手善波がビッグプレーでチームを救った。同点の八回1死一、三塁。一打勝ち越しの場面で、2年生は冷静だった。「相手はこういうときにセーフティースクイズをやってくるというデータがあった」。左打者の外に外れるスライダーでバントを空振りさせ、三走を封殺。会心のプレーを「本当に狙った通りでした」と振り返った。

 森林監督も「善波は自分の中でイメージをして準備ができていた。本当に大きいプレー」とひたすら褒めていた。

復帰の根岸が先制打

 慶応の5番根岸が初回2死一、二塁から中前へ運び、先制点をもぎ取った。「追い込まれていたので粘り強く食らい付いた。センバツには出られなかったのでうれしい」と白い歯を見せた。

 中軸を支える左の好打者だが、昨秋に右膝をけがして戦列を離れ選抜大会はメンバーを外れた。座りながらバットを振り込み、復帰した今夏は北神奈川大会でも打率3割6分8厘。好調の背番号8は「初めての甲子園はやりやすかった。次も自分らしいバッティングをしたい」と誓った。

選抜の悔しさ晴らした

 慶応・森林貴彦監督(45)の話 試合前に「捲土(けんど)重来」を掲げたが、選抜で初戦負けした悔しさを、選手が言葉通りに晴らしてくれた。2番手渡部の投球がサヨナラにつながった。

盛り上がっていきたい

 慶応・下山悠介主将の話 ミスで追い付かれた後もベンチでは「楽しんでいこう」という声が出ていた。勢いづく勝ち方ができたので、チーム全体でもっともっと盛り上がっていきたい。

相手投手の球に力強さ

 中越・本田仁哉監督(41)の話 (出場した3大会連続で初戦サヨナラ負け)監督の僕が同じことを繰り返して申し訳ない。生井君、渡部君は球に力強さがあって、打線が上回れなかった。

サヨナラ負けよぎった

 中越・小鷹葵主将の話 (捕手として)サヨナラの1球は、外そうとした球が甘くなった。甲子園でサヨナラ負けが続いていたので、あそこはそれが頭をよぎった。間合いを取ればよかった。


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