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圧倒的な消火能力で延焼防ぐ 横須賀港湾 倉庫火災で初の広域出動

社会 神奈川新聞  2018年08月05日 11:25

消防艇「よこはま」と小倉所長(右)ら=鶴見水上消防出張所
消防艇「よこはま」と小倉所長(右)ら=鶴見水上消防出張所

 横須賀港に面した横須賀市田浦港町で7月22日午前に起きた倉庫2棟の火災では、海上からの消火活動が威力を発揮した。市消防局の要請を受けて出動したのは、横浜市消防局の消防艇「よこはま」。消防車25台分に相当する毎分最大5万リットルを放水できる圧倒的な消火能力を活用したことで、延焼を最小限に抑えて消し止めることができた。県によると、県内全域をカバーする消防広域応援体制に基づき消防艇が出動した初のケースだった。

 火災が起きた倉庫は、海上自衛隊関連施設や横須賀海上保安部などが立ち並ぶ沿岸部にあった。22日午前11時40分ごろ、コメや家具などが保管されていた倉庫から出火。横須賀市消防局と消防団から消防車25台が出動し、隣接する倉庫にも類焼する中で消火活動が続けられていた。

 県は、県内で大規模災害が発生した場合に備えて政令指定都市を含めた県内全域で消防広域応援体制を構築している。県消防課はいち早く消防艇の有効性に着目。消防艇を持たない横須賀市消防局に情報提供するとともに、横浜市消防局に出動を打診するなど調整役を担った。

 「よこはま」に乗り組む消防士6人にとって横須賀港に向かうのは初めてで、現場周辺海域の水深を調べるとともに飲料水や軽食などを用意。午後4時50分ごろに出動指令を受け、同5時55分に現場に到着した。

 よこはまは放水量毎分1万5千リットルを誇る放水砲2基と、5千リットルの放水砲4基を備えている。海水をくみ上げて火元や隣接の倉庫に3回に分けて断続的に放水。約3時間にわたる総放水量は4542トンに達した。


炎上する倉庫に向けて放水する消防艇「よこはま」=7月22日(横浜市消防局提供)
炎上する倉庫に向けて放水する消防艇「よこはま」=7月22日(横浜市消防局提供)


 米海軍消防隊から消防車1台が応援に入ったほか、横浜、横須賀両海上保安部の消防船ひりゆう、巡視艇はまかぜなども放水に加わった。それぞれの消防隊は横須賀市消防局の指揮を受け、連携しながら消火活動を行い、出火から100時間以上たった26日夕に鎮火した。

 同市消防局は「特に、よこはまの放水が非常に効果的で、けが人を出すことなく、隣接する別の倉庫を延焼から守ることができた」と感謝の意を伝えた。

 よこはまは、2011年の東日本大震災による千葉の石油コンビナート火災や、横浜市磯子区の電源開発(Jパワー)磯子火力発電所の火災に出動した実績がある。

 鶴見消防署鶴見水上消防出張所の小倉宏文所長は「沿岸部の倉庫火災でも対応したことで、さらに頼もしく感じた。よこはまと同じ放水量毎分1万5千トンの放水砲を2基持つ消防艇『まもり』も配備しており、2艇態勢で港湾全域をカバーしたい」と気持ちを引き締めている。


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