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【甲子園】慶応のキーマン<下>「静と動」で大一番へ

高校野球 神奈川新聞  2018年08月04日 23:12

生井 惇己 なまい・じゅんき 夏に覚醒した主戦。インコースを突く速球が絶品。左投げ左打ち。3年。
生井 惇己 なまい・じゅんき 夏に覚醒した主戦。インコースを突く速球が絶品。左投げ左打ち。3年。

 「生井は県大会の終盤で東海大相模の森下、桐光学園の山田のような良いバッターを抑えようとしてアドレナリンが出て、力を引き出してもらった。今度は(夏の)甲子園という舞台を力に変え、もう一段階覚醒してほしい」

 慶応の森林貴彦監督(45)は、センバツでも甲子園のマウンドを経験しているエースが次のステージに上がることを待ち望んでいる。

 新潟大会でチーム打率3割9分8厘と打ち勝ってきた中越の看板は、同校指揮官が歴代随一の素材と推す3番坂井と、主将の4番小鷹という右左の強打者だ。

 県大会56得点のうち21打点を稼いだ2人に対し、森林監督は「彼らを乗せないこともそうだし、その前に余計な走者を出さないこと」と警戒する。

 ここで生井が引き合いに出すのが、神奈川を代表とする2人のバッターだ。「自分はこの1年間、常に森下や山田を想定して、彼らを抑えるためにやってきた」。打者のインコースを攻め抜き、強振を封じたあの速球。「中越の3、4番があのレベルだったら怖いですが」と前置きし、「自分の投球ができればいい」と抑える自信を持っている。
     ○
 7月30日の北神奈川決勝から、わずか中5日という強行日程。心身の疲労は当然残るはずだが、左腕は初戦を前に後ろ向きな言葉は発しない。「普段の練習試合はこれくらいの間隔で投げるし、疲れは感じない」。3日にはブルペンで42球を投げ込み、「指の掛かり具合も良かった」と好感触だ。


渡部 淳一 わたなべ・じゅんいち 県の準決勝、決勝で試合を締めた技巧派左腕。左投げ左打ち。3年。
渡部 淳一 わたなべ・じゅんいち 県の準決勝、決勝で試合を締めた技巧派左腕。左投げ左打ち。3年。

 とはいえ酷暑と過密日程を考えれば、打線の援護とともに2番手渡部のロングリリーフが理想的だ。県大会のイニング数は7回1/3と登板機会は限られており、背番号10は「あまり投げていないから、本当に疲れがない。次は自分の出番が来ると思う」と意気込む。

 変則左腕の宝刀は緩いカーブに加え右打者外に逃げながら落ちるチェンジアップだが、北神奈川決勝では自己最速に迫る134キロをマークするなど、かわす投球の一辺倒ではない。

 「内側も突いて、自分が生井を楽にさせてやりたい」。甲子園は初登板となるが、普段から窮地や終盤が主戦場。優しい笑顔の裏にある強心臓が、何よりの武器だ。

 気迫の生井に対し、冷静な渡部。慶応を10年ぶりに夏の聖地に導いた「動と静」のコントラストが、関門突破の鍵となる。


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