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中学道徳教科書、横浜市は東京書籍を採択

社会 神奈川新聞  2018年08月01日 19:53

横浜市教育委員会が採択した東京書籍の教科書
横浜市教育委員会が採択した東京書籍の教科書

 横浜市教育委員会は1日、定例会を開き、2019年度から使用される市立中学校・義務教育学校後期課程・高校付属中学校の道徳の教科書に、東京書籍を採択した。計148校で使用される。

 中学と同課程の審議では、鯉渕信也教育長と教育委員5人が「多角的な考え方ができる」「設問が誘導型ではないこと」といった選定で重視する点などについて、それぞれ意見を述べた。6人中2人が具体的な教科書会社名を挙げて考えを述べたが、採択の方法は無記名投票となった。


東京書籍の教科書を採択した横浜市教育委員会定例会=同市中区
東京書籍の教科書を採択した横浜市教育委員会定例会=同市中区

 投票では、最多の東京書籍が3票、光村図書出版と日本文教出版、日本教科書が各1票で、過半数を占めた教科書がなかったため、この4社を対象に2回目の投票を行い、全員が東京書籍を選んだ。


中学校道徳教科書の採択後に会見する横浜市教育委員会の鯉渕信也教育長(中央)=8月1日、横浜市役所
中学校道徳教科書の採択後に会見する横浜市教育委員会の鯉渕信也教育長(中央)=8月1日、横浜市役所

無記名投票「責任果たしていない」


 横浜市教育委員会の中学校道徳教科書の採択は、昨年の小学校道徳教科書と同様、無記名投票で行われた。採択にあたり、具体的な教科書会社名を挙げて意見を述べたのは、教育委員6人のうち2人のみ。傍聴した市民からは「委員としての責任を果たしていない」との批判も上がった。

 採決の方法に関し、大場茂美委員は「静謐(せいひつ)な環境の下で判断、公平に採択するとの観点から昨年同様、無記名の投票で進めていただけないか」と提案。他の委員から異議はなく、採用された。

 採択後、会見に応じた鯉渕信也教育長は、過去の教科書採択で、外部から教育委員に働き掛けがあったとした上で、「委員個人の自宅に押しかけるなどして意見をぶつけるのはご勘弁願いたい。基本的に無記名投票でやるべきで、(審議では)教科書会社名を挙げないのが基本だと思う」と持論を述べた。


横浜市教育委員会会議室での傍聴は24人に制限され、約280人は横浜市開港記念会館で傍聴した。昨年の小学校道徳教科書採択では音声のみでの傍聴だったが、今回は初めて動画で中継された=8月1日、横浜市開港記念会館
横浜市教育委員会会議室での傍聴は24人に制限され、約280人は横浜市開港記念会館で傍聴した。昨年の小学校道徳教科書採択では音声のみでの傍聴だったが、今回は初めて動画で中継された=8月1日、横浜市開港記念会館

 市民団体「横浜教科書採択連絡会」の佐藤満喜子さんは、傍聴会場となった市開港記念会館で初めて動画中継が行われたり、森祐美子、宮内孝久両委員が教科書会社名を挙げて審議したりしたことなどに触れ、「議論の透明性確保の点で一定の進展はあった」と評価。一方、無記名投票について「責任を果たしたことにはならない」と批判した。

 投票は1回目で決まらず、2回目を行うこととなったが、その間、委員による議論はないまま、東京書籍に決まった。この点に関しても「『考え、議論する道徳』の教科書を選ぶ手順として妥当だったか」と疑問を投げ掛けた。


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