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核禁止条約批准を 藤沢で原爆展、各地に広がる草の根運動

社会 神奈川新聞  2018年07月30日 02:00

原爆の惨劇を伝える企画展の講演会で「核兵器は絶対悪という認識が国際的に広がっている」と語る県原水協の笠木事務局長=藤沢市
原爆の惨劇を伝える企画展の講演会で「核兵器は絶対悪という認識が国際的に広がっている」と語る県原水協の笠木事務局長=藤沢市

 核兵器の開発や使用、実験など幅広い範囲を法的に禁止する核兵器禁止条約が国連で採択されてから1年。日本政府や核保有国などが批准しておらず、未発効の状態が続いている。一方で、市民や地方議会からは条約の批准を求める草の根の活動が広がっている。藤沢市内では今月、被爆者も参加したイベントが開かれ、核廃絶に向けて条約の発効が不可欠との思いを新たにした。

 「核兵器を終わらせる。そのスタートに私たちは立っている」

 25日、藤沢市内で開催された原爆の企画展。原水爆禁止神奈川県協議会(県原水協)の笠木隆事務局長がそう宣言すると、参加者は力強くうなずいた。

 条約は昨年7月、国連加盟の約3分の2に当たる122カ国・地域が賛成し、採択された。ただ、唯一の被爆国である日本政府は国連での制定交渉に参加すらせず、被爆者らから失望の声が上がった。

 小学生の時に長崎市内で被爆した神宮(しんぐう)弘道さん(83)=藤沢市=は憤りをあらわにする。「核兵器はあらゆる生き物を一瞬で殺すだけでなく、70年以上たった今も多くの被爆者を苦しめ、命を奪っている。そんな兵器を許していいはずがない。日本政府は一刻も早く署名、批准すべきだ」

 毎月、藤沢駅前に立ち、条約への参加を政府に求める署名活動を行う。県内で55万筆以上が集まっているという。

 こうした動きは、被爆者にとどまらない。国連での採択から半年後の今年1月までに、日本政府に条約の批准を求める意見書が少なくとも113の地方議会で採択され、衆参両院に提出された。県原水協によると、県内でも現在までに逗子市や葉山町など7市町の議会で同様の意見書が採択されたという。

 条約の発効には50カ国・地域の批准が必要とされるが、現在は13カ国・地域にとどまる。笠木事務局長は「世界各国で、市民や議会から条約に賛同する声が広がっている。核兵器はなくせるという確信を持ち、被爆者や市民の皆さんと一緒に政府に訴えていきたい」と話す。


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