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ラストは「鎌倉高校前」、全国9737駅乗降達成へ 10年費やし、高松市の渡辺さん

江ノ島電鉄 神奈川新聞  2018年07月28日 11:39

北海道北部のJR宗谷線下沼駅を訪問した渡辺律人さん。古い貨車を転用した駅舎だった=2010年、幌延町(渡辺さん提供)
北海道北部のJR宗谷線下沼駅を訪問した渡辺律人さん。古い貨車を転用した駅舎だった=2010年、幌延町(渡辺さん提供)

 鉄道の駅をこよなく愛し、各地を旅している高松市の会社員、渡辺律人さん(48)が29日夕、鎌倉市の江ノ島電鉄鎌倉高校前駅で全国のJRと私鉄の計9737駅の乗降を達成する。週末や長期休暇に出掛け、10年を費やしようやく成し遂げる。

 ルールは、ホームに降りるだけでなく改札口を通ること。さらに地下鉄の場合は、地上に出ることを自ら課した。何百とある都市部の駅の煩わしさといったら…。「でも始めたからには必ずやり遂げる、と気を張ってきた」。体力に加え精神力も必要なのだ。

 根っからの鉄道ファンではなかった。きっかけは十数年前、日ごろ使っていた駅が焼失したこと。身近な存在の尊さに気付き駅を訪ねる旅を始め、2年前には横浜市鶴見区のJR鶴見線国道駅で、4563あるJR全駅の乗降を終えた。

 珍しい駅も多い。北海道東部のJR石北線生野(いくの)駅は普通列車さえ通過してしまう。止まるのは日に上下3本だけ。そのため隣の駅から5キロほど歩いて乗った。クルーズ船が着岸する時だけ営業する秋田港駅のような臨時駅も網羅した。

 長らく一人旅だったが、最近は小学3年の長男が相棒だ。「駅に行きたいからまた連れて行って」と殊勝な一言を発したときなど、父は頬を緩める。妻は「やっと一区切りだね」と安堵(あんど)しているという。費用は数百万になるはずだが、そこには触れない約束…。

 「終着駅」に鎌倉高校前駅を選んだのは「海が目の前で雰囲気がいいから」。斜光が海波に揺れる午後6時すぎに降り立つ予定にしている。「これからも駅の訪問は続けたい。同じ場所でも、時間帯や季節によって趣が変わるから」。親子の旅の線路は続く。


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