新型コロナウイルス感染拡大の影響で大学スポーツの強豪クラブが長期の活動休止を余儀なくされている。合宿所で共同生活を送りながらトレーニングを続ければ集団感染を引き起こす恐れがあり、既に部員を帰省させた大学運動部もある。各大学は学生の命を最優先に対応している。
「生きるか死ぬかという危機感を持つのが世界の流れ。感染したら手遅れになる」と語るのは東海大柔道部の上水研一朗監督。東京五輪代表内定の高藤直寿らを輩出してきた名門は、8月末までの活動休止を決めた。4月1日から部員90人を帰省させ、濃厚接触につながる対人稽古の禁止も伝えている。
学内では、事態が長期化すれば医療崩壊の可能性があるとのデータも示され、大学側は14日に当面の構内立ち入り禁止を全学生に通達。上水監督は一般学生あっての大学スポーツとし、「クラスター(感染者集団)のリスクもある。寮生活だからといって部員の行動全てを管理するのは難しい」と付け加えた。
3季ぶりに関東リーグ戦1部に復帰した関東学院大ラグビー部も2日までに全150人の部員が帰省。板井良太監督は寮生活を強化の一環や選手の人間教育の場と捉えており、「寮では選手たちも生き生きしていた。チームづくりにもつながると思っていたので残念」と戸惑いを隠せない。