老舗和菓子店「磯子風月堂」(横浜市磯子区)は、半人半魚の妖怪「アマビエ」を再現した新商品の販売を始めた。アマビエの絵姿を見た人は疫病から逃れられるという伝説があり、感染拡大を続ける新型コロナウイルスの終息への願いを込めている。
アマビエは長い髪にくちばし、胴体はうろこに覆われた姿で、江戸時代の瓦版に掲載された。「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」と告げて海に消えたとの言い伝えがある。
新商品「アマビエ」はこしあんが入った練り切りに、瓦版に描かれたアマビエの絵を現代風にアレンジして再現した。ワラビや青海波の文様など、さまざまな焼き印を組み合わせ、口の形ははさみを使った。
1938年創業の同店では春の最盛期を家族で切り盛りしていたが、外出自粛要請があった前後の3月末から受注が激減している。新商品を考案した3代目の石原マサミさんは「吉祥文様の一つである青海波は平穏な暮らしとの意味がある。和菓子を見て食べて、笑顔でこの難局を乗り越えて」と話している。
一つ320円(税込み)。事前予約を受け付けた上で販売する。インターネット通販サイト「ヤフーショッピング」で全国発送も行っている。問い合わせは、同店電話045(751)0200。