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歴史を学ぶ市民の会
〈時代の正体〉横浜市教委副読本問題 「朝鮮人『虐殺』の記述こそが教訓」

時代の正体 神奈川新聞  2016年10月23日 02:00

読本改訂の経過を解説する後藤さん=かながわ県民センター
読本改訂の経過を解説する後藤さん=かながわ県民センター

 【時代の正体取材班=石橋 学】横浜市教育委員会が作成中の中学生向け副読本の改訂を巡る問題を考える集会が22日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれた。市教委は作成中の新副読本に朝鮮人虐殺の史実を記載する方針だが、主催の「歴史を学ぶ市民の会・神奈川」のメンバーは「『虐殺』という記述に戻るのかという課題が残っている。問題は終わっていない」と強調した。

 副読本改訂問題は朝鮮人虐殺に関する記述を自民党の横山正人市議が批判したのが発端。市教委は2013年度版から「虐殺」を「殺害」に書き換え、軍隊と警察の関与を記した部分を削除した。本年度リニューアルされる新副読本の原案に朝鮮人虐殺の記述が一切なかったことから、歴史学者や市民団体、市民から批判の声が上がっていた。

 元中学校教員で同会の後藤周さん(67)は歴史の教訓として伝え残すためにも「虐殺」の表現に戻す必要があるとし、「一つの政治勢力の大きな声で揺らぐようでは困る。教えるべき歴史を当たり前に教え、小さな声に耳を傾ける教育行政に戻していかなければ」と話した。

 代表の北宏一朗さん(75)は「朝鮮人虐殺が後のアジア侵略に行き着いた歴史を忘れてはならない」と指摘。歴史修正主義とヘイトスピーチ(差別扇動表現)に象徴される差別・排外主義の台頭は地続きの問題であることを強調した。


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