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地域見守り30年 87歳関口さん、多摩防犯協会長を勇退

話題 神奈川新聞  2018年06月18日 10:14

関口さんが登場する啓発ポスター
関口さんが登場する啓発ポスター

 川崎市多摩区の子どもたちの安全を温かいまなざしで見守り続ける好々爺(や)がいる。87歳の関口鐘雪(かねゆき)さん。15年にわたり多摩防犯協会の会長を務めてきたが、14日に惜しまれながら勇退した。犯罪への注意を呼び掛けるポスターのモデルとして登場するなど、「地域の顔」として親しまれてきた。ひと区切りを付けるとはいえ、培った信頼や存在感を生かし、今後も後進とともに安全・安心な地域づくりに努めるつもりだ。

 「見破れ!オレオレ詐欺 電話でお金を要求してきたらまず相談、まず連絡」-。「防犯」と印字されたキャップと、「多摩区」と明記されたベストを着用して、悪事に目を光らせるように人さし指を向ける。関口さんが主役の振り込め詐欺防止を呼び掛けるポスターだ。

 2016年から多摩区内の金融機関や路線バス内などに掲示され、地域住民にインパクトを残してきた。「『地元の人がポスターに出ているらしいよ』という話をきっかけに、地域で防犯意識が高まれば」と関口さんは願う。

 多摩防犯協会は1962年に稲田防犯協力会として発足。関口さんは86年に地元の先輩に誘われて参加した。2003年に会長に就任し、時代の変化に合わせて子どもたちの見守り活動や振り込め詐欺への注意喚起などの活動を展開している。

 つらい事件もあった。06年に区内のマンション高層階から小学生の男児が投げ落とされて亡くなった事件は痛恨事だ。警察や学校などと連携し、防犯パトロールを強化。事件を教訓に、回数を増やしたほか、エリアを絞った重点的な警戒活動も地道に続けている。「やはり、自分たちの地域は自分たちで守らないと」。200人超の協会メンバーにいつも伝えている思いだ。

 防犯意識の向上は地域の絆を強めることと一対と心得る。防犯活動に取り組む一方、毎年、親子の交流を深めようと、小学生のサッカー大会を開催。「みどりのおまわりさん」と背中に印字したベストを作って街頭活動に取り組むなど、「警察官ではないけれど、子どもたちをはじめ、地域のおまわりさんのような存在でいられたら」と、絆や信頼づくりに腐心してきた。

 長年の地域貢献が認められ、10年には藍綬褒章を受章した。少年時代には旧満州で厳しい生活を送ったといい、「やはり治安の安定が一番」と実感を込める。「この町に住んでよかった、住んでみたいと思われるような地域にしたい」と意欲は尽きない。


地域の信頼と絆づくりの大切さを訴える関口鐘雪さん
地域の信頼と絆づくりの大切さを訴える関口鐘雪さん

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