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【動画】ガイドは車いすタヌキ 野毛山動物園、病弱で保護

話題 神奈川新聞  2018年06月15日 19:51

職員が製作した車いすで歩き回るタヌキのハマー=野毛山動物園
職員が製作した車いすで歩き回るタヌキのハマー=野毛山動物園

 横浜市西区の野毛山動物園に、車いすで来園者向けガイドを務めるタヌキがいる。2年前に市内で保護されたハマー(オス、推定2歳)。獣医師とコンビを組み、病気やけがなどで保護される同じような野生動物「傷病鳥獣」の現状を分かりやすく伝えている。



 「動物園では、けがや病気で保護された動物を治療して、野性に返すという活動をしています」。動物園の一角で、獣医師の百武真梨子さん(34)が話し始めると、隣でコロンと愛らしく転げるハマーを見つけた来園者が次々と足を止めた。ガイドの始まりだ。

 ハマーの役割は、身近な野生動物を知ってもらうこと。「誤認保護も多いです。親がご飯を捕ってくるのを待っているホンドタヌキや、巣立ちの練習をしているツバメなど、人間の優しい心配が生み出してしまう間違いです」。少し難しい言葉もあるが、幼い子どもたちも興味深そうにハマーを見つめている。同市青葉区から来た安東遼華さん(22)は「実際に保護されたハマーがいて分かりやすかった」と話した。


「ハマーは動物園で暮らしていても野生動物。自然界と同じように、適度な距離感を保っていきたいし、その重要性を伝えていきたい」と話す獣医師の百武さん=野毛山動物園
「ハマーは動物園で暮らしていても野生動物。自然界と同じように、適度な距離感を保っていきたいし、その重要性を伝えていきたい」と話す獣医師の百武さん=野毛山動物園

 「ハマーは保護が必要な動物でした」。百武さんがその日を振り返る。

 ハマーが動物園にやってきたのは2016年6月。消防署でうずくまっていたところを保護された。当時は214グラムの子ダヌキだった。病弱で命の危機に3度さらされ、原因不明で立てないことも分かったが、獣医師らの力を借りて、今では約3キログラムに成長。普段は園内の動物病院で暮らしており、来園者は一般に展示されている他の動物たちと同じようには会うことはできないが、園の“スタッフ”の一員として貢献している。

 ガイドに出動するたびに人気を集めているが、「ペット扱いはしたくない」と百武さんは強調する。「動物園で暮らしていても野生動物。自然界と同じように適度な距離感を保っていきたいし、来園者にもその重要性を伝えていきたい」

 傷病鳥獣ガイドは不定期に開催され、開催の事前告知は基本的に園のウェブサイトで行われる。


獣医師とコンビを組み、傷病鳥獣に関するガイドを務めるタヌキのハマー(獣医師の左)=野毛山動物園
獣医師とコンビを組み、傷病鳥獣に関するガイドを務めるタヌキのハマー(獣医師の左)=野毛山動物園

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