1. ホーム
  2. 経済
  3. 【挑む中小企業】AIで猫健康に トイレ開発、スマホ連動世界初

ハチたま(鎌倉市)
【挑む中小企業】AIで猫健康に トイレ開発、スマホ連動世界初

経済 神奈川新聞  2018年06月12日 16:01

猫専用スマートトイレ「TOLETTA」のイメージ(ハチたま提供)
猫専用スマートトイレ「TOLETTA」のイメージ(ハチたま提供)

 家族の一員である猫に、一日でも長生きしてもらいたい-。ペット向けのサービスを展開してきたハチたま(鎌倉市、堀宏治代表)は、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)技術を使ったスマートトイレで猫の健康管理ができるサービス「TOLETTA(トレッタ)」の開発を進めている。9人のスタッフでの挑戦だが、複数のビジネスコンテストで評価されているほか、猫を愛する個人投資家らの強い支持を受け、1億円の資金を調達。8月8日(世界猫の日)の発売に向け、急ピッチで生産が進む。

 もともと病院向けのシステム構築など、ヘルスケア業界で活躍してきた堀代表。会社を独立後、東日本大震災で多くの動物たちも被災したことにショックを受け、ペットのヘルスケアを手掛けるように。獣医師にウェブ上で相談できるサービスやトリミングサロンなどのビジネスを展開してきた。近年、ペットとしての犬の頭数を猫が上回ったことなどから、猫専用の商品開発を検討し始めた。

 猫の死因のトップは腎不全。尿の回数が増え、体重が減少するという初期症状がある。特に日中、仕事をしている飼い主には家にいる猫の様子が分からず、明確な症状が出て動物病院で診察した際には既に手遅れになっている場合が多いという。この症状を早期発見するための、世界初のサービスがTOLETTAだ。

 開発に当たりこだわったのは「猫にストレスをかけないこと」(同社の山森愛美さん)。トイレを使うだけで体重と尿の回数が分かるよう、トイレの下にセンシングプレートを取り付けた。飼い主はスマートフォンのアプリでデータを確認できる。24時間トイレを使用していないなどの異常時にはアラートで通知する。複数の猫を飼っている家でも使えるよう、猫をカメラで撮影、AIで個体を識別する。首輪を装着すれば識別は簡単だが、猫は首輪を嫌う。黒猫の兄弟などは識別が難しい場合もあるが、画像認識の精度を高めて対応しているという。

 また、TOLETTAを使用することによって得られるデータは大きな価値を持つ。実は飼い猫のデータは獣医学分野で不足している。そのためTOLETTAには獣医師からの期待も寄せられており、実際に開発に協力してくれている獣医師もいるという。「猫が不調になったときもこのデータがあれば診断しやすくなり、治療の経過も把握できる。いずれはペット保険への活用など、データを使ったビジネス展開も考えている」と山森さんは話す。

 ペットの頭数が多い米国での展開も計画中だ。「場所は変わっても飼い主の思いは世界共通。TOLETTAで世界中の猫を幸せにしたい」

 詳細は、同社ホームページhttps://toletta.jp

ハチたま 2015年設立。ペット関連サービス。資本金8400万円。従業員9人。鎌倉市七里ガ浜1の1の1の103。


シェアする