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【新幹線3人死傷】犠牲男性の同僚ら「悔しい、無念」 

社会 神奈川新聞  2018年06月12日 02:00

刺傷事件で小田原駅に停車中の新幹線=9日午後11時30分ごろ
刺傷事件で小田原駅に停車中の新幹線=9日午後11時30分ごろ

 県内を走行中の東海道新幹線で乗客3人が刃物で殺傷された事件で、殺害された男性の同僚らは無念さに言葉を詰まらせた。

 殺害された男性会社員(38)の上司で、総合化学メーカー「BASFジャパン」(東京都港区)執行役員の男性(48)が11日午後、報道陣の取材に応じ、「非常に悔しいし、無念。言葉にならない。こんなことがあってはならない」と無念の表情を浮かべた。

 同社によると、亡くなった男性は昨年4月入社で大阪オフィスに勤務。プラスチック原料の新規用途開発と営業マネジャーを務め、月に3~4回、関東に出張していた。事件直前の今月7~8日も研修で横浜市内の施設を訪れていたという。

 上司で採用時の面接も担当した男性は、亡くなった男性の人柄について「明るくて前向きで、人のために何かをしてあげなければという面があった。顧客からも好かれていた」と説明。

 8日の研修で「また来週」と言葉を交わしたのが最後だったといい、「いつも通りの彼で、奔放で明るかった。『世界で活躍したい』と言っていたのに。現場で何が起こったか分からないが、ただただ信じられない」と言葉を詰まらせた。

 亡くなった男性の遺族は弁護士を通じて「突然、家族を奪われたこの悲しみは、言葉では言い尽くせません。今はそっとしておいてもらいたいです」とコメント。軽傷を負った女性(26)は「すぐに助けていただいたのに亡くなられた被害者の方には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」とのコメントを出した。

「生きてる価値がない」容疑者



 東海道新幹線内で男女3人を刃物で襲ったとして殺人未遂容疑で現行犯逮捕された小島一朗容疑者(22)。「俺は人と違う。生きてる価値がない」と家族に自殺願望を語り、約半年前に「旅に出る」などと言い、愛知県岡崎市にある母方の祖母(81)宅を飛び出したままだった。

 母方の祖母らによると、小島容疑者は中学まで同県一宮市で両親や父方の祖父母、姉の6人暮らし。中学では野球部に所属したが、いじめが原因で不登校になった。進路などを巡り父親とけんかをし関係が悪化、家を出たという。

 14歳から約5年、母親が働いていた自立支援施設で暮らし、この間、定時制高校に通学。成績は優秀で4年の修了期間を3年で終えた。その後名古屋市の職業訓練校に入り、電気工事や溶接など各種資格を取得。2015年4月、埼玉県内の機械メンテナンス会社に就職した。

 同社社長の男性(61)によると、4カ月間の研修後、愛媛県にある駐在所に配属。先輩に同行して業務に当たり、態度に問題はなかった。しかし翌16年2月末に突然退職した。男性は「のみ込みが早く、比較的優秀だった。あぜんとしている」と言葉少なだった。

 自立支援施設代表の男性(71)は「人とトラブルになる言動はなかった。退所するときは彼なりに今後の生き方を考えていた」と振り返る。

 人間関係がうまくいかず会社を辞め、約1年半前、母方の祖母が引き取り、養子にしたが、インターネットや読書などで引きこもりがちに。同居する伯父に生活態度を注意されて家出をし、警察に保護されることもあった。

 祖母は「私を気遣って外出の際も歩調を合わせてくれる優しい子。信じられない」と事件を受け止められない様子。

 自立支援施設に移って以降、父親はほとんど小島容疑者に会っておらず、取材に「幼いころから、人の言うことを言葉通りにしか理解できなかった。変わった子だった」と話した。


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