1. ホーム
  2. 社会
  3. 災害救助法改正案が可決 小此木氏「地域全体の底上げに」

災害救助法改正案が可決 小此木氏「地域全体の底上げに」

社会 神奈川新聞  2018年05月25日 11:24

県内議員の質問に答弁する小此木防災担当相と赤間内閣府副大臣(右)=国会内
県内議員の質問に答弁する小此木防災担当相と赤間内閣府副大臣(右)=国会内

 大規模災害の仮設住宅整備などの権限を都道府県から政令指定都市に移すことを可能とする災害救助法改正案は24日、衆院災害対策特別委員会で審議し、全会一致で可決した。小此木八郎防災担当相(3区)は政令市と道府県双方のメリットを説明し「地域全体の災害対応の底上げを図れる」と強調。全国知事会の反発が根強いことを踏まえ、引き続き説明を重ねて懸念払拭に努める意向も示した。

 同改正案はこの日に本格審議入りし、即日採決。近く衆院を通過する見通しで、政府は来年4月の施行を目指している。

 被災者支援を巡る権限移譲は知事の同意を前提に首相が指定する形で、一定の財政力がある政令市に対象を限定。知事会が懸念する物資の配分は、政令市が先取りしないよう道府県が他市町村との調整を担う。政令市には災害救助基金の積み立てを義務付けている。

 特別委の約3時間の質疑は、立憲民主党の早稲田夕季氏(4区)、無所属の会の本村賢太郎氏(比例南関東)が質問に立ち、政府側は小此木氏のほか赤間二郎内閣府副大臣(14区)が答弁。3政令市を抱える神奈川の視点で議論を主導した。

 小此木氏は法改正の意義について、「政令市は被災状況を踏まえて国と調整でき、迅速な被災者救済が可能になる。道府県は政令市以外の支援に人材や財源を注力でき、地域全体の災害対応力の底上げを図れる」と強調。道府県と政令市の意見対立を認めた上で、災害対応力の強化に向けて「政治判断で法案を提出した」と理解を求めた。

 また指揮命令系統と広域調整権は従来通り道府県が担うと明言し、知事会などの懸念は当たらないと説明。移譲に向けた知事の同意に関しては、「県と政令市の連携体制の確認で、丁寧に説明を重ねれば分かってもらえる。乱暴な判断はあり得ない」とし、客観的な指定基準を設けるとの認識を示した。法成立後につくる国と道府県、政令市による協議の場で、具体的な要件を検討していくという。

「当然あるべき」早期成立に期待
相模原市長


 災害救助法改正案を巡り、相模原市の加山俊夫市長は24日の定例会見で、「地域に密着した政令市に権限移譲がなされる法案の改正は、当然あるべきだろうと思っている」と述べ、法案の早期成立に期待した。

 黒岩祐治知事が改正案に否定的な立場を表明していることについて、「実体的に多くの役割を担い、対応能力がある政令市が(救助主体を)担っていくのが現実的」と指摘。県が避難所設置や仮設住宅供与などの権限を持っていることについて、「県内33市町村のバランスを考え、人口比率でやるものではない。(大規模な災害が起きたとき)それでは対応できない」と苦言を呈した。

 今後は横浜、川崎市と連携を取りながら県と協議していく考えで、「法案の改正に沿った形で市民の生命、財産を守っていきたい」と話した。


シェアする