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環境保全強化し再出発 箱根湿生花園、14年ぶり町直営

話題 | 神奈川新聞 | 2020年3月20日(金) 05:00

ミズバショウがかれんな花を咲かせている箱根湿生花園=19日午前、箱根町仙石原
ミズバショウがかれんな花を咲かせている箱根湿生花園=19日午前、箱根町仙石原

 日本各地に点在する湿地帯の多様な植物を展示する「箱根湿生花園」(箱根町仙石原)が20日、冬期休園を経て開園する。民間事業者による委託運営から14年ぶりに町直営に戻り、自然環境保全の取り組みを強化して再出発。一足早く春の訪れを感じられる企画もスタートし、豊かな自然環境が残る箱根の魅力をアピールする。

箱根・仙石原で恒例の「火入れ」

 水辺に白いミズバショウが咲く園内の「高層湿原」。高地に群生する植物を集めたエリアで、職員は低温対策や土の管理といった作業に当たり、開園に向けた準備を進めていた。園内に植えられた約2万株のミズバショウは3月下旬に見頃を迎え、紫色のかれんな花を咲かせるカタクリなども楽しめる。

 町などによると、同園は1976年から2006年まで町が運営。以後10年間は受託した町観光協会が管理し、ピーク時は年間20万人以上が訪れていた。

 しかし、大涌谷の火山活動が活発化した15年を機に入園者が大幅に減少。16年4月に箱根観光施設に管理者を変更したが途絶えた客足は戻らず、16年度は約1500万円、17、18年度は3千万~4千万円の赤字に。


ミズバショウがかれんな花を咲かせている箱根湿生花園=19日午前、箱根町仙石原
ミズバショウがかれんな花を咲かせている箱根湿生花園=19日午前、箱根町仙石原

14年ぶりに町の直営で開園する箱根湿生花園=箱根町仙石原
14年ぶりに町の直営で開園する箱根湿生花園=箱根町仙石原

 町と検討を重ねても改善せず、昨年10月に指定管理者業務の終了を申し入れた。町担当者は「町としても大切な施設。気に掛けながらサポートしてきたが、町の力も足りなかったかと反省している」と語る。

 町は直営施設として再開を決定。委託時のスタッフを多く引き継ぐ形で準備を進めてきた。直営時代に園長を務め再び就任した山川誠治園長(69)は「本来の形に戻ったということ。自然環境保全など、営利目的でなく行政がやるからこそできることも多い」と語る。

 5月10日まで「春の山野草展」と銘打ち、同園周辺の自然に見られるランの一種エビネなどを展示する。午前9時から午後5時(入園は同4時半)まで。中学生以上700円、小学生は400円。問い合わせは、同園電話0460(84)7293。

 
 

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