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丹沢再生の取り組み見学 植生保護柵や土壌流出防止策

話題 神奈川新聞  2018年05月21日 17:40

県自然環境保全センター職員(右端)から、金網筋工に落ち葉がたまっている様子などの解説を聞く参加者ら =丹沢山中腹の堂平地区
県自然環境保全センター職員(右端)から、金網筋工に落ち葉がたまっている様子などの解説を聞く参加者ら =丹沢山中腹の堂平地区

 丹沢自然保護協会(中村道也理事長)はこのほど、丹沢山(1567メートル)を登山しながら中腹の堂平(どうだいら)地区などで自然再生の進捗(しんちょく)状況を見学する丹沢フォーラムを開いた。同協会会員や一般市民ら約40人が参加し、減少した下草などがシカに食べられないように設置した植生保護柵や、土壌流出を防ぐ金網筋工(すじこう)の効果などを見学した。

 丹沢では1980年代から90年代にかけて、ブナの立ち枯れや増えすぎたシカによる下草の食害、それに伴う土壌流出などといった事態が進行。県などは総合調査などを経て、99年から2006年にかけての丹沢大山保全計画、07年からは丹沢大山自然再生計画に基づく自然再生の取り組みを進めている。

 フォーラムでは県自然環境保全センター職員が、要所要所で周辺の植生の状況などを参加者に紹介した。堂平近くの植生保護柵では「この柵は2000年に作った。柵の中にはシカが全く入れないが、それでも柵の中の木がやっと4~5メートルに育った程度。森の世代交代にはものすごく時間がかかる」などと説明。

 比較的平たんな地形の堂平地区ではこの数年間、シカの管理捕獲を集中して実施している。「03年に1平方キロ当たり10~30頭いたシカが、5年ほど前から5頭前後にまで減った。以前は下草がなくなって茶色の土がむき出しだったが、やっと少し草が生え始めた」と周囲の状況を解説した。

 小さな谷が始まる部分では、高さ50センチ程度の金網を地面に設置した金網筋工に、土や落ち葉がたまって土壌流出を防いでいる状況を見た。参加者の男性は、「以前は土がむき出しだった部分に落ち葉がたまり、効果が出ている」と感激した様子で話していた。

 中村理事長は「県が設けた水源環境保全税が丹沢の自然再生にも活用されている。税金の使い方をわれわれ市民がきちんと見ていくことが大切で、フォーラム参加者の意見をまとめて県に届けたい」と話していた。


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