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やまゆり園 事件考
共生を求めて(3)「通いたい子 拒まない」

社会 神奈川新聞  2020年03月14日 20:00

 「重度の障害があるからといって学ぶ場を分けられたくない」。その思いで8年ほど前に地域の小学校への道を切り開いた家族が名古屋市にいる。人工呼吸器を付けて暮らす一家の長女は、中学生になった今も通常学級で学び続けている。

 林智宏さん(44)、有香さん(44)夫婦の長女京香さん(14)は同市立中学の2年生。筋力の低下が進む「脊髄性筋萎縮症」という難病を患う。生活全般で介助が必要で、たんの吸引や胃ろうなどの医療的ケアも欠かせない。気管を切開したために言葉を発することは難しく、目で意思表示をする。まばたきをすれば「はい」、視線を動かさなければ「いいえ」だ。

■権利


京香さん(中央)を囲む(右から)父の智宏さん、母の有香さん、次女で小学6年生の千陽(ちはる)さん(12)、三女の実希(みつき)ちゃん(1)=3月1日、名古屋市内
京香さん(中央)を囲む(右から)父の智宏さん、母の有香さん、次女で小学6年生の千陽(ちはる)さん(12)、三女の実希(みつき)ちゃん(1)=3月1日、名古屋市内

 小学校に入学したのは2012年4月。呼吸器の子が通常級に通うケースは、同市立小学校では初めてだった。「私たち夫婦が当たり前に地域の学校で学んだように、地域で同世代の子と一緒に学ばせたい」。障害のある子の就学支援をしている団体の応援を得て市教委との交渉に臨んで実現。医療的ケアを担う看護師も配置され、親の付き添いはほぼ不要だった。

 ところが、インターネット上では「迷惑な存在」「公費がかさむ」といった誹謗(ひぼう)中傷が吹き荒れた。万一の事故を恐れる保護者のまなざしも厳しかった。

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