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平塚信用金庫 石崎明氏
【金融最前線】県内信金理事長に聞く(6)地域の活性化に注力

経済 神奈川新聞  2018年05月02日 11:00

 いしざき・あきら 1974年法政大学卒業、同年平塚信用金庫入庫。2005年常務理事、08年から理事長。66歳。横浜市出身。
 いしざき・あきら 1974年法政大学卒業、同年平塚信用金庫入庫。2005年常務理事、08年から理事長。66歳。横浜市出身。

 -営業地域の経済の特長は。

 「平塚は、日産車体や横浜ゴムといった大手企業の拠点があり自動車関連の1次、2次下請けの中小企業が多い。また、農業も漁業もある。商業はかつて、平塚が県央の中心だった時代のような勢いはないが、ららぽーと湘南平塚に加え、北部の核となるツインシティ計画にはイオンモール平塚も盛り込まれ、拠点ができつつある。区画整理もあって新住民は増え、人口の減少は下げ止まっている。ただ、今後も若い世代に住み続けてもらえる魅力ある街になってもらわないといけないと思っている」

 -中小企業の現状は。

 「日本経済全体では緩やかだが景気は回復しているという評価があるが、地域エリアでは、なかなかそうはいかない。少子高齢化に伴う人口減少や大手企業が出て行く空洞化の問題の影響を、中小企業は受けている。また中小企業は親会社の下請けとなっている例もあり、親会社の経営状況によって状況は変わる。日本経済全体の景気に波動が合うわけではない」

 -中小企業では人手不足も深刻だ。

 「中小零細企業は社長を中心に動いているが、その右腕となり、専門的な知恵を出してくれる人が足りない。人手もそうだが、人材も不足している。たとえば社長自身が金融のために奔走しているようだと、ビジネスチャンスを失っているかもしれない。そこをうまく手伝いながら、社長には本業に専念できるような形をつくりましょうと、常日頃言わせていただいている。また、大手企業の第一線で働いていたようなOBをニーズのあるところにつなぐこともしている」

 -低金利が続き、利ざやが望めない現状が続く。

 「トップライン(売り上げ、利益)を上げていくビジネスモデルは、今後は疑問ではないか。われわれはこの地域の状況が悪いからといって横浜や東京に行くわけにはいかず、地域が良くなり、取引先が元気にならないと信用金庫としての役割が発揮できない。こちらの都合の数字をお願いする営業ではなく、お客さまとじっくり対峙(たいじ)し、対話しながら潜在的な課題をつかみ、ベストな支援への提案をさせていただくことが大事な仕事だ。今、そういった方向にビジネスのかじを切り始めたところだ」

 -他金融機関との競争も激しいのでは。

 「お客さまをしっかり見ることで実情を把握し、どんなお手伝いをすればいいのか考えることで関係が強くなれば、金利競争に陥らないで信頼される信金としてお付き合いいただけるんだろうと思う。ちょっと遠回りするような印象かもしれないが、それをやらなければ5年先、10年先は見えてこないんじゃないか。こういうときこそ原点に戻り、お客さまとより深い関係性をつくることが大切だ」

 -具体的な取り組みは。

 「3年前から業務改革推進プロジェクトを立ち上げて効率化を進めて、そこで出てきた経営資源をお客さまとの接点のところに結び付けるように本部体制をスリム化し、法人担当の営業人員を倍増した。今後は改革の第2段階として営業の質を上げることに注力する。お客さまに胸襟を開いていただき、課題を見つける経験を積ませなければならないし、そういった人間を育て、やりがいを持って仕事をさせるようなマネジメント力を管理者に身に付けさせなければいけない」

 -今後、すべきことは。

 「時代の変化の中で地域金融機関としての役割を果たせるよう、業務改革をはじめとしてさらなる経営の効率化を機動的に進めていく。そしてお客さまの課題解決や地域の活性化につながることに力を入れていく。地域金融機関として果たすべき役割は大きい」

 ■平塚信用金庫
 1932年設立。本店は平塚市。平塚・厚木・伊勢原・秦野・相模原・大和・座間・海老名市、寒川町に25店舗。2017年3月末の貸出金残高は2057億9800万円、預金残高は4770億200万円。


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