県教育委員会は9日、東光寺(秦野市南矢名)が所有する彫刻「木造薬師如来立像(りゅうぞう)」を県指定重要文化財に指定する、と発表した。市内の県指定重文は6件目。
県教委によると、像高は約128センチで、ヒノキの寄せ木造り。造りが簡素で、背面に「建長八年大歳丙辰(おおとしひのえたつ)三月八日」との墨書が残っていることから、病気の平癒祈願や雨乞いのため、鎌倉時代の1256年3月8日に1日で造形、供養された「一日造立仏(ぞうりゅうぶつ)」とみられるという。
右手首が失われているものの、保存状態は良好。市生涯学習課の担当者は「一日造立仏の中でも、かなり古い時代のものではないか」としている。