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「映画で演奏変わった」 かなコン参加者へ 大谷康子さん

カルチャー 神奈川新聞  2018年04月05日 14:46

「演奏する曲に心からの共感を持って“大好きな曲”と感じて弾ければ、きっと人の心を動かします」と参加者へアドバイス  (C)尾形正茂
「演奏する曲に心からの共感を持って“大好きな曲”と感じて弾ければ、きっと人の心を動かします」と参加者へアドバイス  (C)尾形正茂

 大谷さんが全日本学生音楽コンクールで第1位になったのは高校2年の時。その演奏に影響を与えたのは、一本の映画だった。

 「コンクール前の夏休みに、友達と『風と共に去りぬ』を見に行ったんです」。南北戦争前後のアメリカで農園の娘スカーレットの生き方を描いた物語。「映画を見てからの一カ月間『疑似恋愛』状態になりました」。

 作中では3人目の夫であるレットとの別れが印象的。「スカーレットの気持ちになってしまって、『どうしてレットにあんなことを言ってしまったのか…』と、食事も喉を通りませんでした」

 この強烈な体験をきっかけに、それまで「優等生的」と言われてきた演奏が「成りきる」演奏に変わった、と回想する。コンクールで弾いたサン=サーンスの協奏曲は「華やかで魅力的」と評価されたそうだ。



 ヴァイオリンとの出会いは2歳の時。イベントで偶然コンサートを見て、「やりたい!」と両親にアピールした。「まず、形が美しい!人の声のように歌うこともできるし、リズムを強調することもできるし…。表現の幅が広くて深い」とヴァイオリンのあふれる魅力を語る。

 世界で活躍するプロヴァイオリニストとなった今でも「ヴァイオリンに出会えたことが、なんて幸せなんだろうと感謝する毎日です」と純粋な“ヴァイオリン愛”を持ち続けている。



 記念演奏会では、自身の特徴が出て大好きだという曲を披露する。ツィガーヌでは「G線上での語りやジプシー音楽的なニュアンス」を楽しんでほしいと話す。

 もう1曲は交響詩や歌劇で有名なリヒャルト・シュトラウスが20代前半で作った曲で、「のちの交響詩の片りんが散りばめられています」と鑑賞のヒントを紹介。「オーケストラでたくさん演奏し、彼の語法やスタイルは私の体にしみ込んでいます。経験から得た解釈を聴いてください」。

●おおたに・やすこ 1975年デビュー。1708年製のピエトロ・グァルネリでの深く温かい演奏は「歌うヴァイオリン」と評される。国内外でのオーケストラとの共演をはじめ、コンサートやチャリティー、教育やテレビ出演など多彩な活動を行う人気・実力ともに日本を代表するヴァイオリニスト。CDも多数。川崎市市民文化大使。

日時 5月27日(日)
   午後5時半~(予定)
会場 横浜みなとみらいホール 小ホール
曲目 ラヴェル:ツィガーヌ
R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
        第1楽章 アレグロ、マ・ノン・トロッポ
        第2楽章 即興曲(アンダンテ・カンタービレ)
        第3楽章 フィナーレ(アンダンテ~アレグロ)


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