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出資した和牛食べて 茅ケ崎

話題 神奈川新聞  2018年04月02日 09:46

生育した牛の肉はバーベキューやもつ煮込みに料理されて振る舞われた=茅ケ崎市芹沢
生育した牛の肉はバーベキューやもつ煮込みに料理されて振る舞われた=茅ケ崎市芹沢

 生産者と消費者が共に育ててきた牛を食するイベントが1日、茅ケ崎市芹沢の「齋藤牧場」で開かれた。振る舞われたのは、地域で畜産農業を支えようと、市民らが出資して生育した牛の肉。参加者らは、それぞれの思いをかみしめながら命の恵みを味わった。

 イベントは、CSA(Community Supported Agriculture)の取り組みの一貫。「地域が支える農業」という意味で、生産者と消費者が直接つながることで、地域経済の活性化や、小規模農家や自然を守る効果があるとされる。

 齋藤牧場でこの取り組みをスタートしたきっかけは、2011年の東日本大震災だった。同牧場の社長(36)は「和牛を生産する福島の農家が津波被害などで生産をやめてしまい、子牛の価格が高騰してしまった。子牛を買って育てる私たち肥育農家にとっては大きかった」と振り返る。リスクを抑えたいと考えついたのがCSAだった。

 15年9月、秋田県由利本荘市の和牛生産牧場で誕生した子牛を購入。「ちがさき80(ハチマル)号」と名付け、投資を呼び掛けた。趣旨に賛同した消費者は1口500円から出資。社長は会員制交流サイト(SNS)で成長過程を発信するほか、定期的にバーベキューを開催し、生育方法や飼料についても説明。消費者が実際に「食の安全」を感じられる仕組みも構築した。

 社長とともに活動してきたフードコーディネーター(35)は「目の前で生きている生き物を最終的に食物としていただく。これは究極の食育」と語る。この日、2年半かけて育った牛の肉はバーベキューやもつ煮込みなどに料理され、振る舞われた。

 社長は「実際に食べてもらい、おいしさを味わってもらうことで、国産牛のことを知ってもらえたらうれしい。これからも『食』を発信できる場所をつくっていきたい」と話した。


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