新型コロナウイルスの感染拡大が教育現場に大きな混乱をもたらしている。北海道教育委員会は公立小中学校約1600校に休校するよう要請。同様の動きは全国各地に波及する可能性もあり、学校や保護者からは不安の声が上がっている。
「やり過ぎ」?
「やり過ぎとの批判はあるかもしれないが、ご理解いただきたい」。北海道の鈴木直道知事は26日に臨時記者会見を開き、市町村教委に協力を求めた。
釧路市は既に市内の全小中学校の休校を決めた。「児童に負担を掛けるが、やむを得ない措置だ」と岡部義孝教育長。道内の公立小の校長も「児童が感染すれば取り返しがつかない」と理解を示す。ただ一部の市教委からは当初、感染者が出ていない学校を休校にすることへの慎重論も出ていた。
文部科学省が25日に示したガイドラインは、市町村単位での休校を念頭に置き、都道府県単位での休校は想定していなかった。萩生田光一文科相は「鈴木知事の決断を支持したい」と評価するが、省内からは「家庭に与える影響があまりにも大きい。一斉休校はやり過ぎ」と否定的にみる向きもある。
未知の部分が多い
インフルエンザの例を挙げれば、感染症に対する学校の対応は(1)保護者が学校に連絡し、感染した生徒を出席停止)(2)その人数が多くなれば、学級閉鎖や休校の措置を取る―のが通常の流れだ。