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師匠たちの背中追う 立川晴の輔が3月関内ホールで独演会

カルチャー 神奈川新聞  2020年02月26日 19:15

「指示はあいまいな方が人は育つ」と振り返る。「師匠が『暗いな』と言ったら、師匠にとってちょうど良い明るさの照明をつける。想像力が鍛えられました」=東京都内(撮影・立石祐志)
「指示はあいまいな方が人は育つ」と振り返る。「師匠が『暗いな』と言ったら、師匠にとってちょうど良い明るさの照明をつける。想像力が鍛えられました」=東京都内(撮影・立石祐志)

 立川晴(はれ)の輔(すけ)が3月7日、関内ホール(横浜市中区)で独演会を開催する。横浜のほか、東京や千葉、埼玉など計5カ所で隔月開催している定期独演会の26回目。昨年は三遊亭円楽の代演として「笑点」(日本テレビ)の大喜利に登場するなど、立川志の輔の一番弟子として存在感を増す晴の輔に、落語への思いを聞いた。

 二つ目だった頃から続けている定期独演会は晴の輔にとって「活動の軸」。「寄席に出られない立川流は、家元である談志の教えに従い、しゃべる場所は自分で探さなければならない。2カ月に1回の独演会で毎回新しいネタを披露しているので1年があっという間ですね」と語る。

 分かりやすい古典落語が持ち味。明朗な語り口は、聞いているだけで江戸の町人たちが鮮やかに眼前に浮かぶ。「落語は話芸。演劇ではないので、演じ過ぎても良くない。登場人物が降りてきて、僕を通して勝手に話しているという感覚がちょうどいい。男女にまつわる話などは、自分が年を重ねたことで、よりお客さんに伝わるようになってきた手応えがあります」

 独演会では、落語の前にステージに立ち、フリートークを行う。「落語は大衆演芸なので、今の時代を感じることも大切。最近あった社会の出来事を自分なりに料理してしゃべる作業が、落語にも生きてくるのではないかと思っています」

 落語家になったきっかけは、大学時代に志の輔の独演会に行ったこと。「『味噌(みそ)蔵』というネタだったのですが、ほかの落語家さんが語る『味噌蔵』とは全然違って、まるで映画を1本見終えたような感覚。あまりの衝撃にしばらく立ち上がれませんでした」

 大学を卒業後、志の輔に入門。見習い、前座時代は風呂どころかお湯も出ないアパートでの暮らしだったが「貧乏長屋で暮らす町民たちの『あったかい』という台詞(せりふ)にも説得力が出たかもしれません」と笑う。「前座のうちは血を吐くほど師匠に気を使え」という立川流の教えは厳しく、談志にもさんざん理不尽な思いをさせられた、と振り返るが「その頃の逸話を話すとお客さんに笑ってもらえる。ネタを頂いたんだな、と思っています」

 昨年9月、笑点への出演が決まった時には、同番組の初代司会者だった談志の墓参りをしたという。「林家木久扇師匠には『談志さん喜んでるね』と言ってもらえました。緊張している自分を師匠方が包んでくれて、大喜利メンバーのすごさとチームワークを改めて実感しました」

 現在、テレビ番組やラジオのレギュラーを数多く抱える。「今は日々、たくさんのことを学ばせてもらっているありがたい時間。今後も精進を重ねて『晴の輔落語』を作り上げていければ。いつかは師匠のように独演会で全国を回るのが目標ですね」



 午後2時開演、全席自由、前売り2500円、当日2800円。チケットは関内ホールチケットカウンター☎045(662)8411。


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