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トリアージ訓練 はぐくむ安心

社会 神奈川新聞  2018年03月23日 14:33

けが人役の住民の札を見て、優先度の振り分けを行う医師ら=20日、川崎市川崎区鋼管通の日本鋼管病院
けが人役の住民の札を見て、優先度の振り分けを行う医師ら=20日、川崎市川崎区鋼管通の日本鋼管病院

 川崎市川崎区の日本鋼管病院(小川健二病院長、病床数395床)と周辺町内会が毎年、大規模地震を想定した訓練を合同で行っている。負傷の程度に応じ処置の優先順位を決める「トリアージ訓練」は、町内会の住民らが近所のけが人役を病院に運び込む段階から始める。一緒に訓練することで地域社会の安心につなげている。

 「近隣で多くのけが人が発生しているもよう。クリニックが損壊したため、病院で受け入れを行う。トリアージ班、救護班、設備班は直ちに準備してください。通常外来は閉鎖します」

 20日午後4時すぎ、14回目となる合同訓練がスタート。小川病院長(62)による緊急放送の後、手術中の医師らを除き、駐車場にスタッフ100人が集合した。トリアージセンターのテントも手際よく設営された。

 訓練は町内会側の投げ掛けで16年前から始まった。今年は例年参加の追分町、姥ケ森、田島町、東鋼親和会、鋼管通2丁目、鋼管通東に、新たに浜町1、2丁目を加えた8町内会計約170人が参加。それぞれの地域から住民がリヤカーや車いすにけが人役も乗せ、三々五々到着した。

 同センターで医師らが対応し、けが人役が首から下げた症状が書かれた札を見ながら、処置の優先順位を判断。色分けしたタグをけが人役の手首に巻き付けていった。

 札に記入されているのは「倒壊家屋で下半身を圧迫された状態で救出。元気だったが、知覚障害が進行している」「驚いて血圧上昇、頭痛あり」など。都賀誠二医師(44)は「専門の知識がない科だと迷いますね。自分たちも試されている。本番ではトリアージ後のけが人をどう運んでいくかも課題」と話していた。

 病院スタッフはけが人役の付添人から重傷者の名前や連絡先を聞き、掲示板の表に書き込んでいった。家族が駆け付けたときに探す手だてとなるものだ。

 市全町内会連合会会長も務める追分町町内会長の島田潤二さん(82)は、「トリアージ訓練を医師の先生方と一緒にできることはありがたい。住民の安心にもつながり、病院に対する信頼も深まる」と説明。

 小川病院長は「安心した暮らしに少しでもつながれば。合同訓練はスタッフも勉強になる。実際は医師が病院に来られないケース、病院機能がまひするケースもあり得るので、初期段階をどうしのぐかは課題だ。今後も訓練や備えの精度を高めていきたい」と話していた。


リヤカーでけが人役を病院に運ぶ鋼管通2丁目町内会の人たち
リヤカーでけが人役を病院に運ぶ鋼管通2丁目町内会の人たち

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